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■血液製剤、余剰分に限り輸出解禁へ 厚労省が50年ぶりに政策転換

 

 献血から製造される血液製剤について、厚生労働省は国内メーカーが輸出・販売するのを解禁する方針を固めました。

 血液製剤は1960年代に本格化したベトナム戦争で、負傷者の治療に使われたとする疑惑が国会で追及され、1966年から輸出が禁じられていました。来年度に、余剰分に限り輸出を認める省令改正を目指しており、約50年ぶりの政策転換になります。

 海外の医療への貢献のほか、国内メーカーの海外展開を後押しする狙いもありますが、血液製剤の市場自由化が進む影響を懸念する声もあります。また、「国内の患者を救うため」という献血の前提が変わることに対し、無償で協力している提供者への説明も求められそうです。

 血液製剤は国の輸出貿易管理令の対象品目で、国内医療での使用を優先するとして全地域への輸出が禁じられています。輸入はできますが、1980年代にウイルスに汚染された輸入血液製剤薬害エイズが起きた反省から、政府は国内自給を原則に掲げています。しかし、今でも一部の血液製剤は輸入に頼っています。

 国内で献血で採取された血液を扱っているのは日本赤十字社だけで、日赤から血液を購入した国内メーカー3社が特定の成分を抽出した複数の「血漿(けっしょう)分画製剤」を製造しています。このうち、やけどや肝硬変治療に使うアルブミン製剤は自給率56%にとどまりますが、血友病患者用の凝固製剤の一部は1994年以降、自給率100%に達し、消費されない余剰分は廃棄しています。

 余剰分が輸出できれば、少子化で需要が減りつつある国内市場に代わる新たな収益源になるとの期待があります。また、外資系メーカーも国内外の在庫調整がしやすくなる利点があり、国に規制緩和を要望しています。

 国内メーカー3社はいずれも輸出に向けた具体的な検討は始めておらず、うち1社の一般社団法人・日本血液製剤機構は、厚労省ヒアリングに「人道支援を目的に無償や低価格で輸出することは差し支えない」と答えています。

 

 2017年11月14日(火)