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■危険ドラッグの主成分に、けいれんを起こす有害作用 精神・神経医療研究センターが確認

 

 多くの危険ドラッグの主成分で、大麻に似た薬物「合成カンナビノイド」に、けいれんを引き起こす有害作用があることが確認できたとする論文を、国立精神・神経医療研究センターの研究チームがアメリカの専門誌に発表しました。

 けいれんは脳内の「海馬(かいば)」という記憶と関係の深い器官の異常で起き、繰り返すと記憶や学習機能の障害が出る恐れがあります。危険ドラッグ乱用の害を新たに示す成果といいます。

 大麻は体の動きや思考が鈍くなる「ダウナー系」の薬物で、通常けいれんは起きません。しかし、危険ドラッグ使用後に錯乱状態に陥り救急搬送される患者がいることから、研究チームはマウス実験で脳内の変化を調べました。

 その結果、合成カンナビノイドを投与されたマウスは、数分後から興奮をもたらす神経伝達物質グルタミン酸が海馬で過剰放出され、けいれんを起こしやすくなりました。これが海馬の神経細胞を壊す原因になるといいます。放出は数分~十数分続き、その後に急激に下がると、今度はダウナー系の症状が現れます。

 大麻との作用の違いはグルタミン酸を放出させる毒性の強さの差と考えられ、薬物の濃度が高いほどけいれんの頻度は高くなりました。

 国立精神・神経医療研究センターの舩田(ふなだ)正彦・依存性薬物研究室長は、「合成カンナビノイド大麻以上に危険といえる。ただ、最近は乾燥大麻を濃縮してワックス状にした効き目の強い大麻も出回っており、類似のリスクが懸念される」と指摘しています。

 危険ドラッグは、大麻取締法覚せい剤取締法で規制できない有害な薬物の総称。「脱法ハーブ」と呼ばれていた2012年前後に、乱用者の自動車事故などが相次ぎました。医薬品医療機器法に基づく規制をしても、成分を一部変えて売買する堂々巡りが続いていましたが、2013年に大量の規制が可能な包括指定が始まり、流通量は大きく減りました。

 

 2017年11月12日(日)