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■マウス胎児の腎臓組織再現に成功 熊本大学がES細胞を利用

 

 体のさまざまな組織に変化するES細胞(胚性幹細胞)を使って、マウスの胎児の腎臓の組織を再現することに熊本大学の研究チームが成功したと発表し、重い腎臓病の患者に対する再生医療につながる可能性がある技術として注目されています。

 熊本大学の西中村隆一教授らの研究チームは、マウスのES細胞から、血液をろ過して尿を作る機能を有する「ネフロン」と呼ばれる組織の元となる細胞を作り出していますが、今回さらに、尿を排出する管になる「尿管芽」と呼ばれる細胞を作ることに成功しました。

 研究チームは、この2つの細胞を混ぜ、さらにマウスの胎児から取り出した細胞同士を結び付ける細胞を加えて、およそ1週間培養したところ、細胞が組み合わさって直径1ミリ、厚さ数百マイクロほどの円盤状のマウスの胎児の腎臓の組織を再現することにも成功したということです。ただし、本来は腎臓の周囲に張り巡らされる血管は、備えていないといいます。

 今後、胎児の腎臓の組織がさらに成長する過程を調べるとともに、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)でも実験を行い、血液をろ過する機能があるか検証することにしています。

 研究チームによりますと、重い腎臓病で人工透析の治療を受けている患者は国内に30万人余りおり、将来、こうした患者を対象にした腎臓の正常な機能を取り戻す再生医療につながる可能性がある技術として期待されています。

 西中村教授は、「移植のためのドナーが不足する中、人の腎臓を作ることができれば、多くの患者を救える」と話しています。

 成果は10日、アメリカの科学誌「セル・ステムセル」(電子版)に掲載されました。

 

 2017年11月10日(金)