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■WHO、家畜への抗生物質の使用抑制を訴え 多剤耐性菌の発生を懸念

 

 世界保健機関(WHO)は、抗生物質(抗菌薬)がほとんど効かない「多剤耐性菌」の感染拡大を防ぐためには、畜産の現場でも抗生物質の使用を必要最小限に抑えるべきだとする指針をまとめました。

 指針をまとめた責任者は、世界規模で対策に取り組む必要があると強調しています。

 多剤耐性菌は、人の病気の治療に使われる抗生物質がほとんど効かなくなった細菌で、世界各国の医療機関で免疫力の低い入院患者が感染して死亡するケースが相次いで報告されていることから、大きな問題となっています。

 ただ、畜産の現場では、抗生物質が家畜の病気の予防や治療、さらに成長促進のために幅広く使われており、使い方次第では、さらなる多剤耐性菌の発生につながると指摘されています。

 このため、WHOは、畜産の現場での抗生物質の使用を必要最小限に抑えるべきだとする新たな指針をまとめ、7日、スイスのジュネーブで発表しました。

 新たな指針では、人の病気の治療にも使われる重要な抗生物質については、家畜の成長促進や病気の予防のための使用をやめるべきだとしたほか、家畜が病気の場合でも、カルバペネムなど、人に使われる抗生物質の中でも極めて重要なものは原則、使用を禁じるべきだとしています。

 WHOによると、一部の国では医学的に重要な抗生物質の約80%が動物に対して使用されていますが、家畜の病気予防には衛生状態を改善したり、ワクチンをうまく活用したりするなど他に多くの選択肢があるといいます。

 指針をまとめた責任者であるWHOの宮城島一明食品安全部長は、「多剤耐性菌を抑えるためには、抗生物質の適正な使用が不可欠で、保健医療と畜産農業の現場が連携して世界規模で対策に取り組む必要がある」と話しています。

 

 2017年11月8日(水)