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■山形大、パーキンソン病の新しい関連遺伝子を発見 薬の開発に結び付く可能性も

 

 山形大学医学部は6日、根本的な治療法が確立されていない神経変性疾患パーキンソン病について、「midnolin(ミドノリン)」という遺伝子の欠損が病因の一つと推定されることがわかったと発表しました。

 同学部は発症メカニズムを分子的に解明し、治療のための薬の開発に結び付けたいとしています。

 6日、県コホート研究主任研究者の嘉山孝正同学部参与、山下英俊学部長、薬理学講座の石井邦明教授と小原祐太郎准教授が山形市の同学部で記者会見を開き、薬理学、第3内科などによる共同研究の成果として報告しました。

 パーキンソン病は脳の神経伝達物質ドーパミン」を出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりなどが起こる難病。およそ1000人に1人の割合で発症するとされます。同学部の説明では、発症の約1割が遺伝性(家族性)で、大多数の約9割は孤発性(非遺伝性)によります。遺伝性では、約20種類の原因遺伝子がすでに判明しているといいます。

 同学部は、病気発症の遺伝的要素と生活習慣の関係を解明する「コホート研究」に協力した山形県高畠町内の健常者100人と、同県内の孤発性患者86人から血液サンプルの提供を受け、遺伝子解析を行いました。その結果、孤発性患者86人の10・5%に当たる9人にミドノリンの欠損の異常が認められましたが、健常者100人にはミドノリンの異常が認められませんでした。欠損がみられた患者9人のうち、女性は8人、男性は1人でした。

 こうした分子疫学的な結果から、ミドノリンがパーキンソン病の関連遺伝子であることが判明。小原准教授は記者会見で、「10・5%は非常に大きな数値」と説明しました。

 神経モデル細胞を使い、遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」などでミドノリンを欠損させた場合、神経突起の伸展が抑制されたり、パーキンソン病の原因遺伝子「Parkin(パーキン)」の発現が減少する一方で、不良タンパク質の蓄積によって発症が進行したりする可能性も示唆されました。嘉山参与は記者会見で、「将来的に創薬に結び付けばと思う。その第一歩の発表」と強調しました。

 山形大学医学部の説明によると、ミドノリンは体のさまざまな細胞になれるES細胞(胚性幹細胞)から2000年に発見され、胎生期の中脳に多く発現します。知見の報告例が乏しく、詳しい役割や機能などは解明されていません。

 研究結果は、イギリスの電子ジャーナル「サイエンティフィック・リポート」に掲載されました。

 

 2017年11月7日(火)