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■梅毒患者、現行統計で年間最多の4568人に 岡山県などの地方でも患者が増加

 

 梅毒の感染が全国的に広がっています。性感染症の梅毒について今年、全国の医療機関から国立感染症研究所に報告された患者の数は10月22日までに4568人と、現行の統計を取り始めた1999年以来、年間の患者数として最も多くなりました。

 専門の医師は、「不特定多数との性交渉を避け、不安に思ったら医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 梅毒は細菌による感染症で、性的な接触などによって感染します。感染して3週間ほど後に陰部などに潰瘍(かいよう)ができ、1、2カ月後に全身に発疹の症状が現れ、放置すると血管が破裂する原因になります。妊婦が感染すると、流産や死産になったり、生まれた子供の目や耳などに重い障害が出たりします。コンドームを使うことで感染のリスクを減らすことができ、治療にはペニシリンが有効です。

 都道府県別の患者数はみると、東京都が1423人と最も多く、次いで大阪府が624人、愛知県が277人、神奈川県が258人、福岡県が190人などとなっています。

 昨年の同じ時期と比べて患者数が大幅に増えた地方もあり、昨年38人だった岡山県は4・3倍の135人、15人だった熊本県は3・9倍の55人に急増。広島県109人、香川県59人、青森県57人、山口県21人と、いずれも昨年の2倍を超えました。

 梅毒の年間の患者数は1945年から1954年には20万人程度とされていましたが、抗生物質の普及とともに減少傾向を示し、1997年には500人程度になりましたが、2010年から再び増加に転じています。年間の患者の報告数は2013年に1228人と1000人を超え、2015年には2690人となり、2016年には42年ぶりに4000人を超えて4559人と増えていました。

 女性は20歳代に多く、男性は20~40歳代に多くなっており、性産業に従事する若い女性やその客となる男性の間で感染が広がっている可能性が指摘されています。

 国立感染症研究所の大西真・細菌第一部長は、「感染が各地に広がってきている。感染の恐れがある人は早く医療機関を受診してほしい」と話しています。

 東京都新宿区で梅毒の診療を長く続けているプライベートケアクリニック東京の尾上泰彦医師は、「風俗産業にかかわる人で増加し、最近では一般の若い女性や主婦でも増えている。梅毒は感染の初期は症状に気付きにくい特徴があり、不特定多数との性交渉を避けるとともに、不安に思ったら医療機関を受診してほしい」と話しています。

 

 2017年11月1日(水)