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■増える健康食品による健康被害や購入トラブル 薬物性肝障害で入院のケースも

 

 サプリメントなどの健康食品による健康被害や、購入を巡るトラブルが急増しており、健康被害では薬物性肝障害で入院したケースもありました。専門家は「購入前に、今の自分に本当に必要かどうか考えて」と注意を呼び掛けています。

 国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた健康食品による健康被害の訴えは、2016年度は1866件で、2015年度の898件の2倍、2014年度の583件と比べると3倍に急増しています。被害内容で多いのは、皮膚障害や体調不良、消化器障害。

 一方、国民生活センターが2014年8月に開設した医師からの情報を直接受け付ける「ドクターメール箱」には、今年7月20日までに179件の情報が寄せられました。このうち9件が、健康食品の摂取による薬物性肝障害と診断された事例でした。

 薬物性肝障害は、医薬品などの服用によって肝臓の機能に障害が出る疾患。健康食品の摂取でも、肝臓への大きな負荷やアレルギー反応などが原因で、薬物性肝障害を発症することがあるといいます。

 事例によると、今年1月、50歳代の女性が特定保健用食品(通称:トクホ)の粉末青汁を飲み、約2週間後に頭痛や寒気が出て34日間入院。青汁の飲用は1回だけだったといいます。2015年には70歳代の女性が3種類のサプリメントを2~3カ月摂取後、倦怠(けんたい)感や黄疸(おうだん)の症状が出て1カ月以上入院していました。健康食品自体に問題はなく、摂取した人の体質が原因とみられる。

 日本肝臓学会副理事長の滝川一・帝京大学医学部長は、「医薬品や健康食品が原因で発症する薬物性肝障害は、年齢や性別を問わず誰でも発症する可能性がある。多くの場合、使用を中止すると快方に向かうが、中には劇症化し死に至った症例もある」と指摘しています。

 事例のように1回の飲用で肝障害になる人もいますが、肝障害の症状があっても健康食品が原因と気付かずに飲み続け、重症化する人もいます。

 初期症状には、倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気、嘔吐(おうと)、かゆみなどがあります。

 滝川医学部長は、「症状が持続する場合は直ちに使用を中止し、医療機関を受診してほしい」と注意を呼び掛けています。受診の際は、医師に健康食品を飲んでいることを伝え、商品やパッケージを持参するなどして商品の情報を正確に伝えることも必要です。

 健康食品を巡っては、内閣府食品安全委員会が2015年、「食品であっても安全とは限らない」「過剰摂取のリスクがある」など消費者に知ってほしいことをまとめたメッセージを公表。健康を害することもあるとして、「今の自分に本当に必要か考えて」と注意喚起しています。

 また、消費者庁は今年10月、健康食品を利用する際の注意事項をまとめたパンフレット「健康食品Q&A」を作成。パンフレットの最後には、健康食品の品目と摂取量、体調の変化を書き込む「健康食品手帳」の欄を設け、利用状況を意識しながら使うように勧めています。

 利用による健康被害だけでなく、購入を巡るトラブルも増加。中でも消費者が「お試し」のつもりで購入したのに、実際は定期購入契約になっていたというトラブルが急増しています。

 国民生活センターによると、健康食品の定期購入トラブルは2016年度は1万85件で、2015年度の4352件の2・3倍になりました。「解約しようとしても電話がつながらない」「1回だけのつもりだったのに毎月商品が届き、通常価格を請求された」などの相談が多いといいます。

 国民生活センターは、「商品を注文する前に、契約内容や解約条件についてしっかり確認した上で、慎重に判断してほしい」としています。

 

 2017年10月28日(土)