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■がんゲノム医療、中核拠点病院12カ所指定へ がん患者の遺伝子調べ薬や治療法を選択

 

 厚生労働省は18日、がん患者のゲノム(全遺伝情報)を調べて、個人の体質や病状に適した治療法を選ぶ最先端の「がんゲノム医療」を提供する病院の指定要件を大筋で決めました。

 近く中心的な役割を担う「中核拠点病院」の公募を開始し、条件に合う12カ所程度を来年3月までに指定します。各中核病院は、直接患者を診る数カ所の連携病院と協力することになっており、来年度から全国で治療が受けられるようになります。

 従来のがん治療は肺や胃、大腸などの臓器別に施されていますが、がんゲノム医療はがん細胞に生じた遺伝子の変異を検査で特定し、その変異に合った最適の薬や治療法を選びます。これまでより効果的で副作用も少ないと期待されています。

 がんゲノム医療は現在、欧米が先行し、日本では一部病院が試験的に実施していますが、普及が進めば日本のがん治療の在り方を根本から変える可能性があります。

 厚労省の全国展開に向けた実行計画では、100種類以上の遺伝子変異を一度に調べられる検査機器を、優先的に薬事承認して開発を後押しし、医療現場での検査を早期に可能にします。患者の負担を抑えるため、検査費には保険を適用します。

 全国の病院からデータを集める「情報管理センター」も新設。究極の個人情報とされる遺伝情報を長期間扱うため、国立がん研究センターでの運営を想定しています。

 現状では遺伝子を解読しても有効な薬は限られ、治療法の開発も課題です。情報管理センターでは、患者の遺伝子変異と治療成績、副作用の有無などの膨大なデータを人工知能(AI)で分析し、効果的な新薬や治療法の開発につなげます。

 中核拠点病院の要件は、遺伝子検査の技術がある、結果を医学的に判定できる、患者への遺伝カウンセリングが可能など。中核拠点病院の支援により、全国に約400ある「がん診療連携拠点病院」でも態勢が整えば、順次ゲノム医療を提供できるようにします。

 情報管理センターは、各地での臨床研究の情報を対象となる患者に提供し、治療法を選ぶ機会を増やします。検査での患者の負担を軽くするため、手術などではなく、血液や尿から遺伝子を検出する方法の開発も進めます。

 

 2017年10月19日(木)