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■拡張型心筋症の女児に、本人の幹細胞を移植 岡山大学病院が臨床研究

 

 岡山大学病院は17日、心筋になる能力を持つ「幹細胞」を心臓から取り出し、培養後に本人に戻して機能を回復させる手術を、「拡張型心筋症」の熊本県に住む8歳の女児に実施しました。女児は、数日以内に退院する予定といいます。

 同病院によると、この手術はすでに他の種類の心臓病では行っていますが、拡張型心筋症への適用は初めて。提供が不足している心臓の移植に代わる再生医療として期待されます。

 王英正(おうひでまさ)教授(循環器内科学)などの医療チームが、臨床研究として実施。17日は、8歳の女児から今年7月に取り出した幹細胞を培養した上で、カテーテル(細い管)を使い心臓の周りの血管に流し込んで戻す手術が行われました。

 他人の臓器を移植するのと違い、拒絶反応の恐れがないということです。また、幹細胞を取り出したり、培養した細胞を戻したりする時はカテーテルを使い、胸を開く必要がないため、体への負担が少ないということです。

 拡張型心筋症は心臓がうまく収縮せず、全身に血液を送り出す心臓の機能が弱まる難病。2015年度末現在で国から医療費の助成を受けている患者数は約2万8000人。

 この拡張型心筋症は症状が進むと心臓移植しか助かる方法がありませんが、脳死からの臓器提供を認める臓器移植法が施行されてからの20年間で脳死になった15歳未満の子供からの臓器提供は15例にとどまっており、多くの患者が移植を受けられない状況が続いています。

  17日、岡山大学病院で手術を受けた熊本県に住む小学2年生の8歳の女児は、以前は他の子供と同じように生活し、5歳ごろまではダンスを楽しむなど体を動かすことが大好きだったということです。しかし、拡張型心筋症を患い、最近は心臓の機能が少しずつ弱まって運動を制限せざるを得なくなったということです。

 王教授は、「今のところ、治療法としては心臓移植が最も効果が高いとされているが、国内では臓器提供が非常に少ないのが現状だ。新たな方法は、患者の体の負担が少ないことも特徴で、移植医療に代わる治療法となるよう研究を進めていきたい。心臓病の患者は生活や運動の面で制限があったり、学校に行けなくなったりするので、元気な子供と同じような生活が送れるよう期待している」と話しています。

 医療チームは今後、臨床研究として18歳未満の7人に行い、安全性と効果を確認できれば臨床試験(治験)を行い、3年後の保険適用を目指すといいます。

 

 2017年10月17日(火)