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■大塚製薬、アルコール依存症治療の新薬を発売へ 断酒ではなく減酒治療を想定

 

 大塚製薬(東京都千代田区)は年内に、アルコール依存症治療の新薬の製造販売承認を厚生労働省に申請します。承認を得れば、断酒治療ではなく欧米で普及する減酒治療を目的とした日本初の新薬が2018年度中にも、発売できる見通しとなります。

 成功率が低いアルコール依存症の治療を変える新たな手法が、登場しそうです。

 大塚製薬アルコール依存症治療の新薬は「ナルメフェン」で、飲酒要求時に服用し、脳内の分泌物に作用して飲酒したい欲求を抑えます。従来の治療薬は飲酒時に不快感を与えて断酒させるなど患者の負担が重かったのに対して、直ちに断酒するのではなく、まずは多量の飲酒を減らす減酒治療を想定しています。

 すでに国内で660人の患者を対象に、最終段階の第3相臨床試験(治験)を終えました。多量飲酒(ビール中瓶3本相当以上)した日数は、ナルメフェンの服用前の月間23日から、服用後約半年で月間11日まで減ったといいます。

 国内では治療が必要なアルコール依存症の患者数が100万人とされますが、医療機関の受診率は10%未満と低くなっています。受診しても、治療から1年後の断酒率は3割ほどとされています。

 大塚製薬では、内科や精神科など併発疾患が多い診療科への啓発活動を行い、受診を促すといいます。

 減酒治療が普及する海外では、抗てんかん薬「トピラマート」や筋肉けいれん治療薬「バクロフェン」に飲酒への衝動を軽減する効果があるとの報告があり、バクロフェンはフランスで製品化の動きが出ています。日本では、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)が4月に、飲酒量を減らして治療する減酒外来を新設しました。

 アルコール依存症の治療は、依存源から強制的に引き離すのではなく、患者が脱却に向けて自ら継続して取り組むことを重視する傾向が強まりつつあります。

 

 2017年10月16日(月)