健康創造塾

各種の健康情報を発信

■中高年の大腿骨骨折、沖縄県の発生率は男性1位女性2位 近畿大などが都道府県別に調査

 

 高齢者に多い大腿(だいたい)骨近位部骨折について、近畿大学大阪医科大学の研究チームが人口10万人当たりの発生率を都道府県別に調べた結果、沖縄県は男性が全国一高く、女性は全国で2番目に高かったことが14日、明らかになりました。

 また、発生率は全国の中部から関西、九州など西日本で高い傾向がみられ、都道府県の比較での最大差は約2倍。研究チームは、明確な要因は不明としながら「食生活の違いが影響している可能性もある」との見方を示しています。

 大腿骨近位部は、足の付け根の股関節に接する部分を指し、骨折すると寝たきりなど介護が必要な状態になる原因となることが多いといいます。

 調査は、公的医療保険を使った医療の受診記録に当たる診療報酬明細書(レセプト)の情報を全国で集めた厚生労働省のナショナルデータベースを活用。2015年の40歳以上の患者15万2000人(男性3万2000人、女性12万人)を都道府県ごとに振り分け、人口10万人当たりの発生率を算出しました。

 全国平均を100とすると、患者数が多い女性の場合、最高は兵庫県の120。次いで和歌山県沖縄県が118、奈良県大分県が116でした。一方、男性の場合、最も発生率が高いのは沖縄県の144。和歌山県長崎県が126、佐賀県が124、兵庫県鳥取県が121で続きました。

 これに対し男女とも低いのは秋田県(男性63、女性65)、青森県(男性65、女性68)。主に関西や九州で100以上、東北や北海道で100未満となる「西高東低」の傾向が確認されました。最も低い秋田県の男性と、最高値だった沖縄県の男性では2・3倍近い開きがありました。

 この大腿骨近位部の骨折は、骨量が減る骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になると起きやすいとされます。研究チームの玉置淳子・大阪医科大学教授(疫学)は、「肥満度を示す体格指数(BMI)や飲酒・喫煙、ビタミンD不足が要因として考えられる」と指摘しました。

 大腿骨近位部骨折は、骨がもろくなった高齢者に目立っており、比較的軽度なつまずきでも起きるとされています。さらに、それまでどおりのようには歩けず、介護を受ける切っ掛けとなるなど、生活の質に大きな影響を与えることも多くなります。医療関係者は、「高齢化が進む中、健康で自立した生活を送るためにも食事や運動などの面で日常的な予防を心掛けてほしい」と話しています。

 厚生労働省によると、日本人の平均寿命は男女とも80歳を超え、日常生活に制限のない「健康寿命」は2013年時点で男性が71歳、女性74歳となっています。2016年国民生活基礎調査では、介護が必要となった主な要因として「骨折・転倒」を挙げたのは男性の6・7%、女性14・9%。「関節疾患」は男性5・2%、女性12・8%で、骨や関節など運動器の重要性が際立ちます。

 こうした状況を踏まえ、厚労省は、運動器の機能が衰える「ロコモティブシンドローム」の予防に向け、適度な運動や食生活の見直しを提唱。市町村による骨粗鬆症検診に補助金も出しており、現在は全市町村の約6割が検診を実施しているといいます。厚労省の担当者は、「健康に長生きするために、まずはふだんの生活でできることから始めてもらいたい」としています。

 

 2017年10月16日(月)