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■ブドウやリンゴ含有の化合物に、がん細胞の増殖抑える効果 信州大農学部が確認

 

 信州大学農学部(長野県上伊那郡南箕輪村)の真壁秀文教授(生物有機化学)らの研究チームが18日までに、ブドウやリンゴなどに含まれる化合物「エピカテキンオリゴマー」にがん細胞の増殖や臓器への転移を抑制する効果があることを確認しました。

 研究チームは、がんの抑制効果がある化合物を特定した例はほとんどなく、がん治療への応用が期待できるとしています。

 研究チームは、真壁教授と信州大バイオメディカル研究所の藤井博教授(分子生物学)、同大農学部の梅沢公二助教(構造生物学)らで、2012年から共同で研究に取り掛かりました。藤井教授が当時、ブドウの抽出物に、がん細胞の増殖や臓器への転移を抑制する効果がある物質が含まれていることを突き止めていましたが、物質の特定には至っていなかったといいます。

 研究チームで分析を進めた結果、物質はブドウに含まれる渋味成分で、ポリフェノール化合物の一種「エピカテキン」が複数連結したエピカテキンオリゴマーと判明しました。エピカテキンオリゴマーはリンゴや小豆、カカオなどにも含まれているといいます。

 研究チームは、エピカテキンオリゴマーの効果を検証。真壁教授がエピカテキンを2つから6つ連結したエピカテキンオリゴマーを合成し、梅沢助教が分子構造を確認。藤井教授が、前立腺がんの細胞にエピカテキンオリゴマーを混ぜ、人工的に作った細胞組織にがん細胞がどれだけ転移するかを調べました。

 共同作業の結果、エピカテキンを4つつなげたエピカテキンオリゴマーでは転移したがん細胞の数が減り、連結数が5つ、6つのエピカテキンオリゴマーではさらに減ることが明らかになりました。

 研究チームの論文は8月、国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。

 藤井教授は「いろんな分野の研究を組み合わせたからこそ得られた成果」とし、真壁教授は「食べ物を研究対象とする農学部らしさを示せたのではないか」としています。

 

 2017年9月19日(火)