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■不妊治療の体外受精、過去最多の42万件を超える 産科婦人科学会のまとめ

 

 不妊治療のために精子卵子を体外で人工的に受精させる体外受精の2015年の国内実施件数は42万件を超え、これまでで最も多くなったことが日本産科婦人科学会のまとめで明らかになりました。

 体外受精を行った女性の約4割は40歳以上が占めており、専門家は「若い年齢で子供を産める環境作りを急ぐ必要がある」と指摘しています。

 子宮内から取り出した卵子精子を体外で人工的に受精させ、その受精卵を培養した後に子宮に戻す体外受精について、日本産科婦人科学会が全国の医療機関から報告された2015年の実施件数をまとめた結果、顕微鏡を使って精子卵子に注入する顕微授精も含めると42万4151件と、2014年から3万件以上増え、これまでで最も多くなりました。

 この体外受精で生まれた子供の数は、2015年に生まれた子供全体の約20人に1人に当たる5万1000人余りで、2014年から約3700人増えて過去最多となりました。一方で、体外受精の実施件数のうち出産に至った割合は11・7%と低い水準にとどまっています。

 体外受精を行った女性を年齢別でみると、40歳が最も多く3万8000件余りで、40歳以上が全体の約4割を占めています。このうち50歳以上で行ったケースも、470件余りありました。イギリスやフランスなど多くの国では、40歳以上で体外受精を行う人は全体の2割程度にとどまっており、多くは30歳代までに実施しています。

 国内での体外受精は、34年前の1983年に初めて出産した例が報告され、その後、晩婚化などを背景に年々増加してきました。

 体外受精を行った女性のうち、出産に至った割合を年齢別にみると、20歳代では20%前後ですが年齢とともに減少して、34歳で18・9%と20%を下回り、40歳になると9・1%と10%を下回ります。

 また、体外受精で妊娠してもその後、流産した割合は年齢とともに上昇し、39歳で30%、41歳で約40%となっています。

 埼玉医科大学石原理教授は、「日本は、理想的な年齢より高い年齢で不妊治療を始めているために、結果としてなかなか子供ができず繰り返し治療を受けなければいけない状況になっている。さまざまな啓発活動をしてより早い時期に治療を開始できるようにする必要がある」と話しています。

 

 2017年9月11日(月)