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■水銀に関する水俣条約が16日に発効 健康被害の防止へ国際的に水銀製品を規制

 

 水銀による健康被害や環境汚染を防ぐため、一定量以上の水銀を使った製品の取り引きなどを国際的に規制する「水銀に関する水俣条約」が16日、発効しました。

 「水俣条約」は1950年代、工場から海に排出された水銀によって周辺住民に手足のしびれや感覚障害などの健康被害を生じさせた公害の原点「水俣病」の教訓として、採択されました。日本での水俣病の認定患者数は2014年3月末までで2978人に上り、このうち生存者は624人となっています。

 16日発効した水俣条約は、日本が主導して4年前に熊本県で開かれた国連の会議で採択されたもので、これまでに74の国と地域が締結しており、水銀被害の根絶に向けた国際的な規制が始まります。

 水俣条約では、新しい鉱山からの水銀の産出が禁止されるほか、2020年までに一定量以上の水銀を使った電池や蛍光灯、体温計などの製品の製造や輸出入が原則禁止されます。

 これを受けて日本でも水銀を含む製品の輸出が原則できなくなるほか、一定量以上の水銀を使った製品の製造については水俣病の深刻な被害を経験した国として、水俣条約が定める2020年よりも前倒しして来年から順次禁止するなど、対策を強化します。

 また、今も発展途上国を中心に水銀を含む製品が適切に処理されず環境汚染などが引き起こしていることから、水俣条約には適切な処理を行うための人材育成や施設整備を資金面で支援する制度を作ることも盛り込まれています。

 9月24日からはスイスのジュネーブで締結国による初めての会合が開かれ、水銀の適切な処理を進めるための技術や支援の在り方などが話し合われるほか、水俣病の患者が参加し、水銀が引き起こす病気の恐ろしさなどについて発表することになっています。

 水俣条約の発効について中川雅治環境大臣は15日の記者会見で、「世界各国が協調して水銀による環境や健康へのリスクを削減しようとする大変意義深い条約で、発効に至ったことを喜ばしく思う」と述べました。その上で、「国内の対策を着実に実施するとともに世界各国と連携して水銀対策を推進すべくリーダーシップを発揮していく」と述べ、国内での対策に加え、発展途上国に対する技術支援なども積極的に行う考えを示しました。

 水俣条約で取り引きが規制される水銀は先進国では使用量が減っていますが、途上国では依然、適切な管理がされないままさまざまな用途に利用されています。

 水銀の大気への最大の排出源となっているのは、アジアやアフリカ、南米などで広く行われている水銀を使った金の採掘。鉱山で採取した砂や鉱石に水銀を混ぜて合金にし、加熱して水銀を蒸発させると金だけを取り出すことができます。国連環境計画(UNEP)の報告書によると、水銀の大気への排出量の37%を占めると推定されています。

 

 2017年8月17日(木)