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■半月板損傷、切除せず幹細胞移植で再生へ 東京医科歯科大で治験開始

 

 東京医科歯科大学は、重い半月板損傷の患者自身の膝関節から幹細胞を採取して培養した後、損傷部分に移植して再生させる臨床試験(治験)を8月から始めたと発表しました。

 半月板損傷の患者は国内に400万人以上いるとみられますが、半月板の損傷が激しいと手術で切除するしか有効な治療法がありませんでした。東京医科歯科大は5年後にも、国の再生医療等製品としての承認を目指すといいます。

 半月板は膝関節の間に挟まる三日月形をした軟骨で、クッションの役割を果たしています。強い衝撃や加齢などによって損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みを感じたり、関節に水がたまったりします。年間約3万5000人の半月板損傷の新規患者のうち、8割が損傷部分を手術で切除していますが、広範囲に切除した場合は関節の軟骨が擦り減る変形性膝関節症の発症リスクがありました。

 治験では、切除が必要なほど半月板の損傷が激しい20歳以上の患者10人を選び、膝関節を包む滑膜の一部を抜き取り、そこに含まれる幹細胞を2週間ほど培養した後、切除せずに半月板の形を修復して縫い合わせた部分に注射で注入。その後は約1年間、MRI(磁気共鳴画像化装置)による検査などで経過観察し、有効性と安全性を確かめます。

 治験を主導する関矢一郎教授(応用再生医学)は2013~2015年、半月板損傷の34~57歳の患者5人に対し、自身の滑膜の幹細胞を培養して膝関節に注入し、経過観察する同様の臨床研究を実施。術後1年で半月板の再生がみられ、関節痛などの症状が改善したといいます。

 関矢教授は、「再生医療製品として承認され、変形性膝関節症を予防する治療につなげたい」と話しています。

 治験への参加希望者は、東京医科歯科大学臨床試験管理センター(03・5803・5612)へ。

 

 2017年8月12日(土)