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■拡張型心筋症の再生医療で臨床研究を開始  岡山大学病院

 

 「拡張型心筋症」という重い心臓病の子供から心臓の筋肉の元になる特殊な細胞を取り出し、培養した後に体に戻して治療しようという再生医療について、岡山大学病院の王英正教授などの医療チームが患者を対象にした臨床研究を始めました。

 正常な心臓と比べて心筋が薄く伸び心臓全体が拡張し、全身に血液を送り出す機能が弱まる拡張型心筋症という重い心臓病の子供が対象で、カテーテルという細い管を使って患者本人の心臓からわずかな組織を取り出して、中に含まれる心臓の筋肉の元になる「幹細胞」を培養し、体に戻して治療しようというものです。

 安全性や効果を確かめる、患者を対象にした臨床研究が始まり、25日岡山大学病院で熊本県の7歳の女児から組織を取り出す手術が行われました。約1カ月半をかけて細胞を培養した後、心臓の周りの冠動脈に流し込んで戻すということです。

 拡張型心筋症は、症状が進むと心臓移植しか助かる方法がありませんが、国内では特に子供が移植を受けられる機会が少なく、新たな治療法が求められています。動物を使った実験では、血液を送り出す力が約5%改善したということです。

 医療チームは18歳未満の31人の患者を対象に臨床研究を行い、早ければ4年後の保険適用を目指したいとしています。

 この拡張型心筋症の子供に対しては、大阪大学の医療チームが足から取り出した筋肉の元になる細胞を培養し、シート状にした上で心臓に貼り付ける再生医療の研究を行っていますが、今回の方法は、細胞を取り出す時も戻す時もカテーテルを使い、胸を開く手術が必要ないため体の負担が少ないということです。

 岡山大学病院の王教授は、「国内で心臓移植を必要とする子供の4人に3人はこの病気とみられる。再生医療で症状が進むのを抑えたり、移植を受けなくても普通の生活を送れるようにしたい」と話しています。

 

 2017年7月25日(火)