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■無痛分娩の6割近くが診療所で実施 欧米は大病院主流

 

 麻酔を使って出産の痛み和らげる無痛分娩(ぶんべん)について、昨年度実施された約2万1000件のうちの6割近くが「病院」より規模の小さな「診療所」で行われているという調査結果を、日本産婦人科医会がまとめました。

 産婦人科医会は、「状態が急変した際に、地域の医療機関と連携する態勢づくりが必要だ」としています。

 無痛分娩は、出産の際に麻酔をかけ陣痛を和らげる分娩方法で、近年、産後の回復が早いなどの利点から高齢妊婦の多い都市部を中心に人気が高まっています。一方で、背中に入れた細い管から麻酔薬を注入する硬膜外麻酔という手法が多い問題から、妊婦が死亡するなど重大な事故も起きています。

 このため、日本産婦人科医会は今年6月に初めての実態調査を行い、対象となった約2400の施設の約4割から回答を得て、中間的なまとめを行いました。その結果、2016年度、約40万6000件の出産に占める無痛分娩の割合は5・2%とここ数年増加傾向にあり、その6割近くが病院よりも規模の小さい診療所で行われていたということです。

 無痛分娩が普及する欧米では、産科医、麻酔科医、新生児科医がそろった大病院で行うのが主流ですが、国内では小規模の医療機関に広がっていました。

 無痛分娩を巡っては、最近、大阪府兵庫県京都府の4医療機関で計6件の産科麻酔を巡る事故が発覚しましたが、6件のうち5件が診療所での事例でした。

 日本産婦人科医会の石渡勇常務理事は、「無痛分娩は適切に行えば安全だが、麻酔による中毒症状や合併症を引き起こす可能性がある。診療所では対応しきれないケースがあるので、地域の医療機関と連携する態勢づくりが必要だ」と話しています。

 日本産婦人科医会ではさらに詳しい分析などを加えて、最終的な報告書をまとめることにしています。

 

 2017年7月21日(金)