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■大阪大、iPS細胞を使い初の心臓病治療 臨床試験を申請へ

 

 重い心臓病の患者に、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心臓の筋肉の細胞をシート状にして貼り付けて治療を行う世界初の臨床試験(治験)を、大阪大学の研究チームが学内の倫理委員会に今週中にも申請する方針を固めたことが明らかになりました。

 早ければ来年3月までに、1例目の患者の手術を実施したいとしています。

 大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らの研究チームは、他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞を使って心臓の筋肉の細胞を作製し、シート状の「心筋シート」にして重い心臓病の患者の心臓に直接貼り付け、心臓と一体化させて機能を回復させる治療法の開発を行っています。動物を使った実験では、効果が確認されているといいます。

 研究チームは今週中にも、学内の倫理委員会に対してこの臨床試験を申請することになりました。

 計画では18歳以上の3人に実施し、安全性や効果について検証するということで、今後、国などの委員会の了承も得て、早ければ来年3月までに1例目の患者の手術を実施したいとしています。また、2020年ごろには、心筋シートの販売を開始したいとしています。

 研究チームはすでに、iPS細胞ではなく脚の筋肉の細胞から作ったシートによる治療に成功し、昨年、再生医療製品として条件付きで早期承認されました。心筋とは性質が異なる筋肉のため重症度が進んだ患者には効きにくく、今回の心筋シートはより大きな効果が期待できます。

 iPS細胞を使った治療は、国内では目の網膜の治療が理化学研究所などにより2例行われているほか、脊髄損傷に対する臨床研究が慶応大学の倫理委員会に申請されていますが、心臓の病気を治療する臨床試験は世界で初めてです。

 澤教授は、「iPS細胞を使うことでこれまでは移植しかなかった患者でも回復が期待できる。安全性に注意し慎重に進めたい」と話しています。

 

 2017年7月18日(火)