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■中年以上を対象にした物忘れ改善薬、販売が相次ぐ 主成分は生薬のオンジエキス

 

 中年期以降の物忘れの改善をうたい、漢方薬に使われる生薬のオンジ(遠志)エキスを主成分とする市販の医薬品の発売が、相次いでいます。

 複数の生薬を組み合わせた漢方薬は普及していますが、1種類の生薬をエキスに濃縮した医薬品は国の審査基準の整備が遅れていました。厚生労働省が2015年末、一般用医薬品向けの単味生薬製剤の製造や効能に関するガイダンスを策定し、オンジを有効成分とした医薬品に「加齢による中年期以降の物忘れの改善」という効能効果を定めたことを受け、製薬各社が物忘れ改善薬の販売を開始しました。

 ただ、物忘れ改善薬が効能をPRする「加齢による中年期以降の物忘れ」と認知症は異なり、厚労省は販売時に注意喚起するようメーカーに求めています。

 市販の漢方薬でシェア1位のクラシエ薬品は、「アレデル顆粒(かりゅう)」(税抜き1900円)を3日から売り出した。思い出せなかった「アレが出てくる」という意味で商品名を付けました。商品の外箱には「物忘れを改善する」と表記してアピールしています。

 小林製薬は、錠剤タイプの「ワスノン」(税抜き3700円)を発売。含まれる成分が「脳内の情報伝達を活性化する」といいます。

 ロート製薬も、「キオグッド顆粒」(税抜き1800円)を売り出しました。森下仁丹とのコラボによって生み出された商品で、売れ行きは好調といいます。

 各社の薬の主成分であるオンジ(遠志)エキスとは、植物のイトヒメハギの根の部分を使った生薬で、心を落ち着ける作用があるため、東洋医学で「健忘」や「不眠」に効く薬として使われてきました。「志が遠大になる」とのいわれがオンジ(遠志)の由来です。最近の研究により、記憶のメカニズムに働き掛けて活性化を促し、記憶機能を向上させることがわかってきています。

 しかし、物忘れでも、日常生活に支障が出るなど、認知症が疑われる場合は、早期に医療機関を受診する必要があります。クラシエ薬品は商品紹介のホームページに、「物忘れの内容によって、病気(認知症)の前兆を疑うことも重要」と記載しています。

 厚労省はメーカーに対し、「適切な医療を受ける機会が失われないよう、注意喚起を含めた配慮を求めている」としています。

 

 2017年7月9日(日)