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■膝のポキポキ鳴る音は、将来の膝痛への警告 アメリカの医科大学が研究

 

 しゃがんだり、立ち上がったりした時に膝がポキポキ鳴る頻度の高い人ほど、将来、膝の痛みを伴い、ひどい場合は歩くのが困難になる変形性膝関節症のリスクが高まるという論文を、アメリカのテキサス州にあるベイラー医科大学などの研究チームがまとめ、5月4日発行の医学誌「関節炎ケアと研究(Arthritis Care & Research)」(電子版)に発表しました。

 論文によると、膝がポキポキ鳴ることと変形性膝関節症の発症リスクについては、これまでほとんど注目されてきませんでした。患者から「膝から音がするのですが」と訴えられても、医師は膝を検査して異常がなかった場合、ポキポキ鳴ることの意味についてどう評価すればいいかわかりませんでした。

 そこで研究チームは、変形性膝関節症にかかっていない3495人の男女(平均年齢61歳)を対象に、4年間にわたって毎年行われる健康診断の際に、「膝がポキポキ鳴る頻度」や「膝の痛みの有無」を聞き取り調査し、併せてエックス線写真で膝関節の状態を調べました。対象者の肥満度を表す体格指数「BMI」の平均は28・2で、「やや肥満」に当たりました。

 「膝がポキポキ鳴る頻度」については、「膝を動かした時に、音が鳴ったり、きしみを感じたりすることがあるか」を尋ね、「全くない」「まれにある」「時々ある」「しばしばある」「いつもある」の5つから回答を選んでもらいました。

 そして、4年後の変形性膝関節症の発症リスクを比較すると、「全くない」人に比べ、「まれにある」人は1・5倍、「時々ある」人は1・8倍、「しばしばある」人は2・2倍、「いつもある」人は3・0倍と、膝がポキポキ鳴る頻度が多い人ほど、発症リスクが高くなりました。

 研究チームは論文の中で、「たとえ膝の痛みという自覚症状がなくても、ポキポキと音が鳴ることは、膝関節の内部で何らかの異常がある可能性があり、変形性膝関節症のリスクを持つ人の識別、発症の予測に有用であることが示された」とコメントしています。

 変形性膝関節症は、関節の軟骨が傷んで擦り減り、歩く際に痛みが生じる疾患。中高年齢者に多く、50歳代で発症し65歳以上で急増しますが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨の摩耗が加速されて、必ずしも中高年齢者でなくても発症します。

 症状としては、膝関節のはれや、こわばっている感じがし、正座ができなくなります。歩き始めに膝が痛みますが、少し歩いているうちに楽になり、また歩きすぎると痛みが出てきます。片側の膝だけに発症することもありますが、両側性のこともしばしばあります。

 症状が進行すると、膝関節を完全に伸ばすことができなくなり、屈曲も制限され、関節が側方にぐらつくようになることもあり、日常生活や動作が大きく制限されることになります。

 

 2017年7月6日(木)