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■再生医療用ES細胞、来年2月にも研究機関に提供へ 京都大学

 

 京都大学は4日、厚生労働省文部科学省の承認を受けた再生医療用のES細胞(胚性幹細胞)について、今年10月にも作製を始め、2018年2月には希望する研究機関に提供できるとの見通しを発表しました。医療用のES細胞の作製は国内初。

 京都大ウイルス・再生医科学研究所の末盛博文准教授によると、不妊治療などを手掛ける京都市中京区の足立病院から、不妊治療の患者に説明と同意を得る手続きを行った上で、破棄が決まった受精卵を提供してもらい、今後10年間に約20種類のES細胞株を作る計画。

 研究機関などに提供し、患者の治療の研究や薬剤の開発などに利用してもらいます。今年6月に、厚労省文科省から再生医療用ES細胞の作製が認められました。

 ES細胞は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)と同様に、さまざまな細胞や組織に変化する能力を持ちますが、受精卵を壊すため倫理的な課題から、これまで基礎研究に利用が限られていました。一方、欧米では、ES細胞を使って網膜の変性症や脊髄損傷、パーキンソン病、糖尿病、心疾患の臨床試験(治験)が進められています。

 末盛准教授は、「海外ではES細胞を使った治験が先行している。日本でもES細胞を使った再生医療の研究を進める必要がある」、「ES細胞もiPS細胞も似ているが違いもある。どちらが臨床利用に向いているか安全性や有効性を比較検討しながら研究を進めていくべきだ」としています。

 足立病院の畑山博院長は、「(受精卵を)捨てることに悩む患者はたくさんいる。ES細胞の臨床応用に使うことができる道筋がついて、一つの選択肢を示すことができる」と述べました。

 

 2017年7月5日(水)