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■精神疾患の労災認定、2016年度は最多の498人 過労死、過労自殺も高止まり

 

 仕事が原因でうつ病などの精神疾患を発症し、2016年度に労災認定を受けたのは498人で、1983年度の調査開始以降、最多を更新したことが5月30日、厚生労働省のまとめで明らかになりました。前年度と比べて26人増えました。

 498人のうち3割超は、月平均で100時間以上の時間外労働をしていました。いじめや嫌がらせも後を絶たず、職場の環境改善が必要なことが改めて浮き彫りになりました。

 うつ病などの精神疾患による労災申請は、前年度から71人増え1586人で、こちらも過去最多となりました。労災認定を受けた498人のうち、過労自殺(未遂を含む)は9人減って84人。

 今回の過労自殺の中には、電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)が含まれています。母親の幸美さん(54歳)は、「長時間労働という原因をなくすことで大切な命や健康を守ることができます」とコメントしました。

 労災認定を受けた人の月平均の時間外労働をみると、100時間以上は158人で、このうち160時間以上は52人でした。一方で、20時間未満でも84人が労災認定を受けていました。

 労災認定を受けた人を年代別にみると、30~50歳代は前年度と比べて減ったものの、20歳代が107人と20人増えました。業種別では、製造業(91人)、医療・福祉(80人)、卸売・小売業(57人)の順番でした。

 一方、仕事が原因で脳梗塞心筋梗塞などの「脳・心臓疾患」を発症して労災申請したのは、30人増えて825人。労災認定を受けたのは260人(9人増)で、このうち過労死したのは107人(11人増)でした。

 脳・心臓疾患による労災認定は中高年に多く、50歳代が99人、40歳代が90人で、過労死の多くも40~50歳代で起きています。業種別にみると、「道路貨物運送業」が89人で最多でした。

 労災認定件数の発表を受け、過労死弁護団国連絡会議の幹事長、川人博弁護士は「過労死の疑いがあっても労災申請をしていないケースが多い。今回の数字は氷山の一角だ」としています。

 政府は今年3月、電通の違法残業事件を受け、残業を「原則月45時間、年間で360時間」とし、労使で協定を結べば年間720時間まで認め、特に忙しい月は特例として100時間未満の残業を容認するとした働き方改革の実行計画をまとめ、関連法の改正案を秋の臨時国会に提出する方針で、2019年度からの実現を目指します。

 

 2017年7月1日(土)