健康創造塾

各種の健康情報を発信

■11医療機関が無届けで臍帯血を投与 厚労省が再生医療の一時停止命令

 

 厚生労働省は28日、他人の臍帯血(さいたいけつ)を使った再生医療を無届けで行っていたとして、再生医療安全性確保法違反で、東京都、大阪市、福岡市の医療機関計11カ所に再生医療の一時停止を命じたことを発表しました。

 健康被害の情報はないものの、厚労省は「保健衛生上の危害の発生または拡大を防止する必要があると判断した」としています。

 厚労省医政局研究開発振興課によると、これら医療機関では「がん治療」や「肌の若返り」などを目的に臍帯血を投与。2014年11月に施行された再生医療安全性確保法では、他人の幹細胞を使った医療を行う場合、国が認定した専門委員会に計画書を提出し、安全性などの審査を受ける必要がありますが、いずれも届け出ていなかったといいます。

 厚労省は5月9日、愛媛県松山市のクリニックに立ち入り検査した結果、無届けの再生医療を行っていたとして一時停止を命じたことを公表。5月から全国的に本格調査した上で、5月16日~6月8日にかけて、東京都8、大阪市2、福岡市1の計11カ所の内科や皮膚科などのクリニックに一時停止命令を出しました。無届けの再生医療を受けた患者は、合わせて約100人に上る見通し。

 臍帯血は、へその緒や胎盤に残った少量の胎児の血液で、赤血球や白血球などの血液細胞のもとになる「造血幹細胞」が大量に含まれています。他人の臍帯血を使った治療は、白血病などで有効性が認められています。しかし、血液以外のがんや美容目的の利用については、有効性や安全性が実証されていません。

 保険が適応されない自由診療で、1人当たり300万円の治療費を受け取っている医療機関もあるといいます。また、各クリニックは京都市の医療法人と福岡市の医療関連会社から、臍帯血を1回分200万円程度で購入していたといいます。

 厚労省によりますと、再生医療の一時停止を命じられた医療機関の1つ、福岡市中央区にある「天神皮ふ科」は昨年2月から5月にかけ、4人の患者に対してアンチエイジング動脈硬化、高血圧に効果があるとして、他人の臍帯血の一部を点滴で投与していたということです。これまでのところ、4人に健康被害は確認されていないということです。

 厚労省は、「がんなどに悩む患者につけ込む形で違法な再生医療が横行しないよう指導を徹底していきたい」としています。

 白血病や免疫機能が十分に働いていない患者など毎年10人前後に臍帯血を投与している国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の松本公一小児がんセンター長は、「臍帯血が、白血病以外の進行したがんの治療や、アンチエイジングなどの美容に効果があるとは、医学的に考えられていない。他人の細胞を体内に入れた場合感染症などのリスクもあり、少なくとも国の審査で認められた正式な治療なのかを確認することが不可欠だ」と指摘しています。

再生医療安全性確保法違反で再生医療の一時停止を命じられた11の医療機関

 東京都渋谷区の「表参道首藤クリニック」、港区の「クリニック真健庵」、「赤坂AAクリニック」、「六本木ドクターアンディーズクリニック」、「東京国際美容クリニック」、千代田区の「アベ・腫瘍内科・クリニック」、練馬区の「花岡由美子女性サンテクリニック」、品川区の「品川荏原ライフケアクリニック」。大阪市の「大阪タワークリニック」、「恵聖会クリニック心斎橋院」。福岡市の「天神皮ふ科」。

 

 2017年6月29日(木)