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■医療ミスなど繰り返すリピーター医師、4年間で27人 日本医師会がまとめる

 

 医療ミスや不適切な医療行為を繰り返していたとして、2013~2016年度の4年間で、27人の医師に再発防止が指導・勧告されていたことが25日、日本医師会(日医)のまとめで明らかになりました。

 日医会員が医療事故に備えて加入する保険の支払い請求が多いケースについて、治療経過などを調べて判定しました。民事裁判などでも被害者が異なるミスの繰り返しが表面化することは少なく、実態の一端が初めて浮かび上がりました。

 医療ミスを繰り返す医師は「リピーター」と呼ばれ、重大な医療事故が相次いだ1999年ごろからたびたび問題視されてきました。昨年12月には、愛媛県内の産婦人科医院で2005年以降に死亡3件を含む6件の重大事故が起きていたことが発覚し、県が立ち入り検査を行いました。

 しかしながら、リピーター医師を見付け出す国の仕組みはなく、2015年10月に始まった「患者の予期せぬ死亡事故」があった医療機関に院内調査と第三者機関への報告を義務付ける医療事故調査制度でも、把握できません。

 国内の医師約31万人のうち、約12万人は日医と保険会社が共同で運営する「医師賠償責任保険」に加入しています。医療事故で患者や家族への支払い義務が生じた際の保険で、日医は会員医師から請求があれば治療内容や結果を調べ、査定しています。

 日医は2013年8月から、この仕組みを医師の倫理と資質の向上に活用。弁護士らで作る指導・改善委員会が、医師側に問題がある事故重複例をリピーターと判定しています。日医によると、2013年度に2人、2014年度に10人、2015年度に7人が該当し、25日に開かれた定例代議員会で、2016年度は8人と報告されました。医師の氏名やミスの内容は明らかにしていません。

 対象となった医師は、所属する都道府県医師会から、重い順に指導、改善勧告、厳重注意のいずれかを受けます。東京都医師会はこれまでに3件の指導をし、幹部が事故の経緯を聞き取った上で、危険性の高い手術を今後行わないと誓約する書面を提出させるなどしたといいます。

 損害保険の請求実績からリピーター医師をあぶり出す日本医師会の取り組みは、医療界自ら実態把握を進めるという点で評価できます。重要なのは、これを問題がある医師の再教育や排除に確実につなげ、医療安全の向上に役立てること。

 厚生労働相には医師の業務停止や免許取り消しの権限があり、年2回、医道審議会厚労省から報告があった医師の審査をしています。しかしながら、対象になるのは、診療報酬の不正請求や医療行為と直接関係のない刑事処分を受けたものが大半。医道審議会は2002年、刑事罰を受けていなくても明白な注意義務違反がある医療事故は処分対象とする方針に改めたものの、ミスの繰り返しを理由とした処分は2012年の戒告1件しかなく、形骸化も指摘されています。

 日医の取り組みは、強制力を伴わな指導・勧告で、ミスの内容も公表しないため、再発防止に向けた実効性や透明性に課題も残ります。医療事故の遺族で「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さんは、「せめて医療界の中だけでも情報共有して背景や深層を追究してほしい」と訴えています。

 

 2017年6月26日(月)