健康創造塾

各種の健康情報を発信

■産科婦人科学会、神戸の医師を会員資格停止に 受精卵検査違反で

 

 日本産科婦人科学会は24日、理事会を開き、体外受精させた受精卵のすべての染色体を調べ、異常がないものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」を学会指針に反して実施したとして、神戸市の大谷レディスクリニック院長の大谷徹郎医師に対し、会員資格と産婦人科専門医の資格を3年間停止する懲戒処分にしました。

 今後、会員として学会発表などが不可能になるほか、専門医を名乗ることができなくなります。

 学会の指針は、受精卵検査は重い遺伝性の病気などに限定しており、PGSについては「命の選別」や男女産み分けにつながるとの懸念から認めていません。

 しかし、大谷レディスクリニックは2011年以降、PGSを実施しているといいます。学会は昨年3月、大谷医師を譴責(けんせき)処分にし、PGSを中止する誓約書を出すよう求めました。その後、大谷医師側から誓約書が提出されなかったため、さらに重い処分にしました。

 大谷医師は2004年にも着床前検査の実施で学会を除名されましたが、指針を守る誓約書を出して復帰していました。

 学会は今年2月、PGSが妊娠率や流産率の改善効果があるか検証するため、一部の施設で100組の夫婦を対象に臨床研究として実施すると発表。大谷レディスクリニックは含まれていませんでした。

 日本産科婦人科学会の苛原(いらはら)稔・倫理委員長は、「(PGSが)出産率に寄与するか否か、まだ結論が出ておらず、学会の見解を守って欲しいと伝えてきたが守られなかった」と述べました。

 一方、大谷医師は処分に対し、「妊娠しやすくて流産しにくい治療を受けることは患者様の基本的人権です。学会の処分とは関係なく、治療を続ける」とする声明を出しました。

 また、母親の血液で胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断を、学会指針に反して実施していた奥野病院(大阪市)について、学会は昨年12月に譴責処分にし、さらに重い処分も検討していましたが、奥野幸彦院長から学会の退会届が提出されたとして受理されました。

 

 2017年6月26日(月)