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■血友病のマウス、ゲノム編集で治療成功 自治医大が発表

 

 遺伝子を効率よく改変できる技術「ゲノム編集」を使い、血友病のマウスを治療することに成功したと自治医科大学東京大学の研究チームが発表しました。

 血が止まりにくい遺伝性の病気である血友病は現在、出血時に血小板を補強して血を固める凝固因子を定期的に補充する対症療法しかありませんが、根本治療につながる成果と期待されます。論文が23日、イギリスの科学誌に掲載されました。

 自治医大の大森司教授(病態生化学)らは、遺伝子を操作して、凝固因子が正常に働かないようにした血友病マウスを作製。異常な遺伝子を切断する酵素と正常な遺伝子を、ゲノム編集で最も普及している「 CRISPR・Cas9」(クリスパー・キャスナイン)」という技術を組み込んだ運び役のウイルスに入れて注射しました。

 その結果、運び役のウイルスは、凝固因子を作る肝臓の細胞に感染。凝固因子が正常に機能しないように変異した遺伝子を酵素が切断し、そこに正常な遺伝子が組み込まれました。

 血友病のマウスは凝固因子が全く機能していませんでしたが、この治療で10%から20%の凝固因子が働くようになりました。止血効果は、十分あるといいます。

 血友病を巡っては、アメリカなどで正常な遺伝子を体内に入れて治療する方法が患者に対して行われていますが、原因となっている異常な遺伝子を修復して根本的に治す動物実験に成功したのは、国内では初めてだということです。

 研究チームによると、人への応用が可能になれば、乳幼児期での根本治療が可能になります。凝固因子のタイプ別でAとBの2種類ある血友病のうち、血友病Bに有効だといいます。

 大森教授は、「大型動物での実験を進めるなどして安全性を十分に確認した上で、10年以内に人への臨床応用につなげたい」と話しています。

 鈴木隆史・荻窪病院血液凝固科部長は、「遺伝子変異は人それぞれなので、修復も個別の対応が必要になるかもしれないが、血友病の治療につながる一歩として期待できる」と話しています。

 

 2017年6月24日(土)