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■新たな不妊治療で5人の子供が誕生 ミトコンドリアを卵子に注入

 

 大阪市不妊治療クリニックが21日、体外受精の際に、精子と一緒に母親本人の細胞内にあるミトコンドリア卵子に注入する新たな手法で、4人の女性から5人の健康な子供が生まれたと発表しました。

 海外では2015年以降、カナダなど3カ国で270例以上実施され約30人の子供が生まれているものの、国内で子供が生まれたのは初めて。ただし、臨床研究で実際の効果が確かめられておらず、専門家からは有効性や安全性を疑問視する声が上がっています。

 実施した「HORACグランフロント大阪クリニック」の森本義晴院長によると、2016年2月から、過去に不妊治療を受けても妊娠しなかった27歳から46歳の21人の女性に、この「ミトコンドリア自家移植」と呼ばれる手法を実施。

 事前に摘出した卵巣組織の一部からエネルギーを作り出す細胞内器官のミトコンドリアを採取し、父親精子と一緒に卵子に注入しました。ミトコンドリアを注入することで卵子を活性化し、若返らせることによって体外受精の成功率を高めるというものです。

 うち6人が妊娠し、今年になって27歳から36歳までの4人が出産し、5人の子供が生まれました。1組は双子とみられます。治療費は体外受精も含めて1人約200万円で、患者が負担しました。

 2015年12月に、日本産科婦人科学会が「科学的な効果は十分に検証されておらず、初期の研究や実験段階の治療法だと考えられる」との見解を示した上で、臨床研究としての実施を認めていました。

 森本院長は、「卵子の状態が悪く、出産をあきらめかけていた女性が出産できたことで、この治療法が新たな希望になったことをうれしく思っています」とコメントしています。

 

 2017年6月21日(水)