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■急性膵炎はオートファジーが止まると発症 秋田大などが解明

 

 重症化すると死に至ることもある急性膵炎(すいえん)は、膵臓の細胞内のタンパク質をリサイクルする「オートファジー」(自食作用)という機能が止まることによって起こるとの研究結果を、秋田大学自治医科大学などの研究チームが6日付でイギリスの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表しました。

 急性膵炎は国内で年間約6万人が発症し、増加傾向にあります。酒の飲みすぎや胆石などが発症する大きな要因になりますが、原因が不明なものも多く、根本的な治療法はありません。研究結果は、治療法開発の手掛かりになると期待されます。

 研究チームの秋田大消化器内科の高橋健一医師らは、発症初期の膵臓において、消化液である「膵液」を分泌する細胞内に、小さな袋が数多く現れることに着目。

 マウスを使った実験で、この小さな袋はオートファジー(自食作用)の前半にできる「オートファゴソーム」と呼ばれるもので、「Rab7」という遺伝子の機能不全のため、オートファジーが次の段階に進めなくなっていることを突き止めました。

 Rab7が働かないようにしたマウスに薬剤で急性膵炎を起こすと、本来膵臓ではほとんどないはずの消化酵素が正常なマウスに比べて、約60倍も多くできることを確認。これが原因で、重症化することもわかりました。

 研究チームを率いる前秋田大教授の大西洋英・労働者健康安全機構理事は、「Rab7の働きを制御する薬剤は、急性膵炎の治療に使える可能性がある」と話しています。今後は、Rab7の機能不全が起こる理由などの解明を進める方針。

 

 2017年6月7日(水)