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■患者死亡率、若手医師のほうがベテラン医師より低い アメリカの大学が分析

 

 肺炎や心不全などで緊急入院した高齢患者の死亡率は若手の内科医が担当したほうが低いことが、アメリカのハーバード公衆衛生大学院の津川友介研究員(医療政策)らの研究で明らかになりました。

 研究チームは、若手の内科医が教育や研修で得た最新の知識や考え方を診療に用いているためとみています。成果は、イギリスの医学誌「BMJ」に掲載されました。

 研究チームは、アメリカ全土の病院に2011~2014年に内科系の病気で入院した65歳以上の延べ約74万人の診療記録を分析。シフト勤務中に緊急入院してきた患者を区別なく診ている「ホスピタリスト」と呼ばれる内科医約1万9000人について、年齢で治療成績に差があるかを調べました。患者の年齢、重症度などの要素を調整し、比較できるようにしました。

 その結果、緊急入院後30日以内の死亡率は、40歳未満の医師が担当した患者では10・8%でしたが、40歳代では11・1%、50歳代では11・3%と上がり、60歳以上では12・1%と高くなりました。

 ただし、多くの入院患者を診ている医師に絞ると、年齢による差はなく、全体の死亡率11・1%より低くなりました。

 ベテランの医師の治療を希望する患者は、少なくありません。今回の成果がほかの診療科や日本に当てはまるかどうかは検証が必要ですが、津川研究員は「若手の内科医をもっと信頼していいと考えられる。高齢の医師を受診する際は治療実績の情報を集めるとよいだろう」と話しています。

 医療制度に詳しい慶応大学の後藤励(れい)准教授(医療経済学)は、「ベテランは経験を積むことで技能はあるが、『最新の知識』の習得という側面では遅れているのではないかという視点を踏まえて検討した画期的な成果。国内でも検証を行う価値はある」と話しています。

 

 2017年5月30日(火)