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■がん治療前の卵子の凍結保存、1年間で256件 厚労省が初の実態調査

 

 がんの治療前に卵子の凍結保存をしておいた場合に将来、子供を作れる可能性のある未婚のがん患者の女性は、推計で年間およそ5000人に上るのに対し、実際に凍結保存をしているケースは年間およそ250件にとどまっているとする初の報告書を国の研究班がまとめました。

 専門家は、「地元に対応できる医療機関がないといった地域格差などによって、がん患者の女性が子供を持てる機会を失っている可能性があり、早急な対策が必要だ」と指摘しています。

 抗がん剤放射線治療の副作用よって、卵巣の機能が失われて不妊になる恐れのある若いがん患者の女性にとって、治療前の卵子の凍結保存は将来子供を作る可能性を残せる重要な手段となっています。

 その一方で、実際にどの程度、卵子の凍結保存が行える態勢が整っているのか国内の実態はつかめておらず、厚生労働省の研究班が全国600の不妊治療を行う施設を対象に初の実態調査を行いました。

 その結果、15歳から39歳までの未婚のがん患者の女性は毎年、推計およそ5000人に上る一方、女性が実際に卵子を凍結保存したケースは、2015年1年間で256件にとどまっていました。

 また、がん患者の女性が卵子の凍結保存を行う施設は、日本産科婦人科学会に登録する仕組みになっていますが、14の県ではまだ登録施設がないということです。

 研究班の代表で、聖マリアンナ医科大学の鈴木直教授は、「がん治療を優先するため、卵子の凍結保存ができないという人もいると思うが、将来子供を作りたいと願うがんの女性が、地域の医療格差などによって、その機会を失っている可能性がある。自治体の枠を越えて、がんの治療医と不妊治療を行う医師が連携を取っていくなど、早急な対策が必要だ」と話しています。

 

 2017年5月22日(月)