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■がん化の恐れあるiPS細胞、2時間で除去 京大が薬剤を開発

 

 京都大学の斉藤博英教授(生命工学)らの研究チームは18日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の中から、がんになる恐れのある不要な細胞を約2時間で除去できる薬剤を開発したと発表しました。

 iPS細胞を移植治療に使う再生医療の安全性を高められます。成果は、アメリカの科学誌「セル・ケミカルバイオロジー」(電子版)に掲載されました。

 iPS細胞から神経や心筋などの細胞を作って人に移植する場合、変化しないまま残ったiPS細胞はがんなどの腫瘍になる恐れがあります。現在は高額な機械を使って取り除く必要があり、より簡単で安価な手法が求められていました。

 開発した薬剤は、アミノ酸の集まりでできた「ペプチドD―3」と呼ぶ化合物。変化していないiPS細胞と心筋細胞に育ったものを混ぜた混合物に、ペプチドD―3を加えると、2時間ほどで変化していないiPS細胞がほぼ消えました。正常な心筋細胞には影響が出なかったといいます。

 混合物をマウス4匹の精巣に移植したところ、8つの精巣のうち7つでがんになる可能性がある腫瘍ができました。一方、混合物にペプチドD―3を約1時間加えてからマウス4匹の精巣に移植すると、どの個体にも腫瘍ができませんでした。

 研究チームは、「未分化のiPS細胞を短時間で簡便に除去できる。iPS細胞を利用する再生医療の安全性を高めるのに役立てたい」としています。

 

 2017年5月21日(日)