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■軽い坂がある地域の高齢者、糖尿病のリスク減 東京医科歯科大が調査

 

 緩やかな坂がある地域に住む高齢者は平らな地域に比べ、中等度の糖尿病になるリスクが減るという研究結果を東京医科歯科大学などの研究チームがまとめました。

 国際的な学術誌に掲載し、8日に発表しました。

 研究は、高齢者の大規模調査プロジェクト「JAGES」(日本老年学的評価研究)の一環として行われました。

 健診データのそろった愛知県の常滑市武豊町など6市町に住んでいる65歳以上の高齢者8904人を小学校の校区ごとに分けて、住んでいる46地域の坂の傾斜と、糖尿病との関連を調べました。

 各地域の坂の傾斜は約1~10度で、平均は約3度。1カ月の血糖値の状態を表すヘモグロビンA1cが7・5%以上である中等度の糖尿病だったのは223人でしたが、坂の傾斜が1・48度高くなる(100メートル進むと約3メートル上がる)と、中等度の糖尿病になる可能性が18%減ることがわかりました。

 軽度の糖尿病患者では、差がありませんでした。

 藤原武男・東京医科歯科大学大学院教授(公衆衛生学)によると、本人が気付かないうちに運動量と筋力が増え、血中のブドウ糖が消費されて血糖値の上昇が抑えられている可能性があり、症状が進まなくなったとみられます。

 ただし、急な坂だと逆に外出を控えたりするため、傾斜が高いほど効果があるかどうかはわかっていません。

 藤原教授は、「日常的に坂を歩くことで、運動と同じ効果が得られている可能性がある。高齢者が気付かぬうちに糖尿病のリスクが減るよう、自治体が運動用の道を造る際、軽い坂のあるコースを設けるなどしてもいいのでは」と話しています。

 

 2017年5月11日(木)