健康創造塾

各種の健康情報を発信

■耳鳴り、抑制系聴神経の機能低下が一因か 客観的な診断法に期待

 

 多くの人が悩まされている慢性的な耳鳴りについて、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)と名古屋市立大学の共同研究チームが、必要な音を聞き分ける聴神経の機能低下が一因とみられるとの研究結果を明らかにしました。

 耳鳴りは外部からではない音の知覚で、ほとんどの場合、難聴を伴います。日本人の1200万人以上が何らかの耳鳴りがあり、そのうち約20パーセントの人は苦痛を伴う耳鳴りがあるといわれていますが、耳鳴りの診断は本人の主観的な訴えに基づいており、客観的に耳鳴りを診断することもできません。

 研究チームは、「現在では困難である耳鳴りの客観的な診断法や、治療法の開発につながる」と期待しています。

 研究チームは、聴神経には、周りの音とのコントラストをはっきりさせて、聞きたい音を聞きやすくする働きがあることに着目。脳活動に伴う磁場を計測する脳磁計を使い、聴力に左右差はないが、片方の耳だけに耳鳴りがするという患者7人が、静かな状況と雑音がする状況で、耳鳴りと同じ周波数の音を聞いた時の反応を調べました。

 その結果、耳鳴りがある耳もそうでない耳も、静かな状況よりも雑音がしている状況のほうが耳鳴りと同じ周波数の音に対する反応が鈍いことが示され、耳鳴りがある耳のほうがより鈍くなっていました。

 研究チームは、正常な耳では、聴神経の聞き分け機能が働き、雑音をある程度シャットアウトしたのに対し、耳鳴りがある耳では、聞き分け機能がうまく働かず、抑制系聴神経の活動が低下して雑音を排除できなかったとみています。

 自然科学研究機構生理学研究所の岡本秀彦准教授(脳科学)は、「聞き分ける力は、訓練すれば向上する。会話や音楽など、さまざまな周波数を含む音をしっかり聞くと、耳鳴りの改善につながるのでは」と話しています。

 

 2017年5月2日(火)