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■花粉症を起こすマスト細胞が結核感染を防ぐ 福井大が免疫の仕組み解明

 

 福井大学医学部の研究チームは27日、花粉症などのアレルギー症状を引き起こすことで知られる免疫細胞「マスト細胞」が、結核菌の感染から体を守る働きを持っていることを突き止めたと発表しました。

 結核に対する新たな予防法や治療法の開発などにつながる成果といいます。

 福井大の学術研究院医学系部門の定(さだ)清直教授(ゲノム科学・微生物学)と医学部附属病院呼吸器内科の本定千知(ほんじょう・ちさと)医師らによる共同研究。論文は、イギリスの科学雑誌に4月10日付けで掲載されました。

 今回の研究では、結核菌の細胞壁の成分にマスト細胞の培養液を加えた際の反応を確認。マスト細胞が「ヒスタミン」と呼ばれる物質などを放出し、免疫機能を高めて結核菌感染を防御する働きをすることが明らかになりました。マスト細胞はもともとは寄生虫の感染を予防する働きを持っていますが、寄生虫が減った先進国では、花粉症を引き起こす厄介な存在と位置付けられていました。

 結核は世界で19億人が感染しているとされ、国内でも毎年約1万8000人が発症し、約2000人が死亡しています。福井県のまとめでは、同県内で毎年約100人が新規に発症し、死者も約10人となっています。

 研究チームはマスト細胞を研究する中で、2013年から結核菌との関係に着目し、成果につなげました。マスト細胞内のタンパク質を薬で活性化できれば、新たな結核予防法などの開発が期待できるといい、すでに国内の製薬会社から問い合わせがきているといいます。

 定教授は、「結核は世界最大の感染症の一つ。決して過去の病気ではなく、根絶に向けた新たな展開を可能にする」と話しました。今後は、マスト細胞が結核菌に作用するメカニズムについて研究を進める予定。

 

 2017年4月30日(日)