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健康創造塾

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■自殺者を10年で30%以上減らす目標を設定 厚労省が自殺対策を見直し

 

 厚生労働省有識者検討会は26日、自殺対策の国の指針となる「自殺総合対策大綱」の5年に1度の見直しに向けた報告書を大筋で了承しました。

 今後10年間で、人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」を2015年と比べて30%以上減らす目標を掲げ、過労自殺対策などの推進を盛り込みました。今夏に新たな自殺総合対策大綱を閣議決定します。

 国内の自殺者数は、2012年に3万人を切り、2016年が2万1897人と7年連続で減少しました。しかし、報告書は「年間2万人を超える深刻な状況がいまだ続いており、楽観できない。主要先進7カ国の中で日本の自殺死亡率は最も高い」と国内の現状を問題視。

 世界保健機関(WHO)の調査によると、アメリカの自殺死亡率は2014年に13・4人、イギリスは2013年に7・5人。日本は2015年が18・5人だったため、2026年までに13・0人以下へと2015年と比べて30%以上減らし、自殺者数を1万4000~1万5000人以下とすべきだとする新たな目標を掲げました。

 現在の自殺総合対策大綱に基づく目標は、2016年までの10年間で自殺死亡率を20%以上減少させるとしていました。2005年の24・2人と2015年の18・5人を比べると23・6%減少しており、報告書は「目標が十分に達成されている」とした上で、新たな目標の達成に向けてさらなる取り組みの推進が必要だとしています。

 今後の重点テーマとしては、電通の違法残業事件などを踏まえ、過労自殺や職場での人間関係による自殺の対策に取り組むことを挙げました。長時間労働の是正に加え、企業のメンタルヘルス対策を充実させていく方針を明記しました。

 自殺者が減らない若者対策では、学校へのカウンセラー配置のほか「SOSの出し方教育」の推進、インターネットなどを使った若者への支援強化、居場所づくりの支援などを盛り込みます。

 また、妊産婦の自殺対策では、産後うつの早期発見や、乳幼児健診を通じて育児に悩みを抱える母親への支援強化を充実させるべきだとしています。

 このほか、報告書は地域で自殺対策を推進していく中で、都道府県や市区町村には独自の数値目標を掲げ、目標を達成できたかどうか検証するよう求めます。

 自殺総合対策大綱は、2006年施行の自殺対策基本法に基づき、2007年に初めて策定。2012年に現在の自殺総合対策大綱を閣議決定しました。

 

 2017年4月28日(金)