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■超未熟児向け人工子宮でヒツジ胎児が正常に発育 アメリカの病院チーム

 

 透明な液体を満たした人工子宮で、ヒツジの胎児を最長で4週間正常に発育させる実験に成功したとの研究論文が25日、発表されました。超未熟児の死亡や生涯にわたる身体障害を回避する助けになる可能性のある成果だといいます。

 イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表された研究論文の主執筆者で、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア小児病院の胎児外科医のアラン・フレイク氏は、「このシステムは子宮内での胎児の自然な発育が継続するように設計されている」と話しています。

 フレイク氏は電話記者会見で、「それが、このシステムの優れた点であり、超未熟児に現在行われている対応策の改良につながると楽観している理由でもある」と語りました。

 現在、妊娠期間が40週ではなく22~23週程度で生まれる新生児は、生存率が50%で、生存した場合でも90%の確率で重度の長期的な健康問題が発生するとされています。

 子宮内の生活を再現する今回の最新システムは、人への使用が承認されれば、これらの確率を大幅に改善するかもしれません。

 研究チームはアメリカの食品医薬品局(FDA)と協力して、人の新生児への臨床試験の準備を進めており、安全性と有効性が証明されれば、人工子宮システムは3年以内に利用できる可能性があるといいます。

 今回の研究では、ヒツジの胎児6匹を妊娠105~112日(人の妊娠23~24週目に相当)の時点で、母親の子宮内から人工子宮に移して、最大28日間発育させる実験を行いました。

 合成羊水で満たした透明なポリエチレン袋で作った人工子宮内で、胎児は機械式のポンプを使わずに合成羊水を呼吸。へその緒が管を通して袋の外部の機械につながれており、この機械が内部を通る血液に対して二酸化炭素(CO2)の除去と酸素の供給を行いました。

 ヒツジの胎児は人工子宮内で、「正常な呼吸と嚥下(えんげ)を示し、目を開け、毛が生え、動きがさらに活発になり、成長、神経機能、臓器の成熟のすべてが正常だった」といいます。

 実験に使われたヒツジのほとんどは人道的に殺して、脳、肺、そのほかの臓器を調べました。数頭は哺乳瓶で栄養を与えて育てたところ、あらゆる面で普通に発育し、そのうちの1頭はペンシルベニア州の農場で暮らしています。

 研究チームによると、人工子宮の研究は50年以上の歴史があり、これまでの発育記録は、東京大学が1990年代にヤギの胎児で達成した3週間が最長。ヒツジは、特に肺の発達が人と非常に良く似ているという理由から、出生前治療の実験に長年用いられているといいます。

 

 2017年4月27日(木)