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健康創造塾

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■バイエル薬品社員、アンケート回答患者のカルテを無断閲覧 厚労省、行政処分も検討

 

 大手製薬会社「バイエル薬品」(大阪市)の複数の社員が、薬に関する自社アンケートを実施した中で、患者の個人情報が記載されたカルテを無断で閲覧していたことが11日、明らかになりました。

 バイエル薬品は、外部有識者を交えて詳しい事実関係を調査しています。厚生労働省は、個人情報保護法などに違反する可能性もあるとみて調べ、行政処分も検討しています。

 厚労省などによると、バイエル薬品は2012年1月に、血液を固まりにくくする血栓症治療薬「イグザレルト」の販売承認を取得。同年2月から2013年まで、他社も販売している血栓症治療薬について、希望する医薬品の形状や服薬回数などを調べるため、宮崎県内にある診療所の医師の協力を得て患者へのアンケートを実施しました。

 その際、営業社員3人が、アンケートに答えた患者約200人分のカルテの一部を、患者側の同意があるかどうか確認しないまま医師から閲覧させてもらい、エクセルシートに転記していました。カルテには、がんや認知症などアンケートと関係のない個人の病歴に関する情報も含まれていたといいます。

 この情報を使った調査結果を国内の医学誌に掲載しましたが、不適切な手法があったことや、調査の実施主体が明記されていなかったことから、昨年1月に取り下げられました。

 厚労省は昨年7月末、バイエル薬品の社員からの内部告発を受けて事態を把握。この日の閣議後の会見で、塩崎恭久厚労相は「極めて遺憾なことだ。事実関係を確認し、必要に応じてしかるべき対応を取らなければならない」と述べました。

 バイエル薬品は、「患者に深くおわびします。社員教育を一層強化します」とコメントしました。

 臨床研究の不正に詳しい医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は、「血栓症治療薬はライバルの多い熾烈(しれつ)な業界。だが、医師には患者の情報を守る守秘義務があり、カルテを見せるなどあってはならない」と話しています。

 

 2017年4月12日(水)