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■子宮頸がんワクチン、因果関係の結論変わらず 厚労省が追加解析

 

 子宮頸(けい)がんワクチンの副作用を調べた厚生労働省研究班(代表・祖父江友孝大阪大学教授)は10日、昨年末に公表した調査データに対する追加解析結果を発表しました。

 新たな解析を加えても、ワクチン接種と副作用発症の因果関係は判断できず、「接種しなくても副作用と同様の症状を示す人が一定数いる」という結論は変わらないとしています。

 研究班は、感覚や運動の障害などで通学に支障があった全国の12~18歳の103人について、ワクチン接種から発症までの期間を詳しく解析。

 それによりますと、ワクチン接種から症状を訴えるまでの期間が1カ月以内だった人は全体の31・1%となる32人だった一方で、1年を超えた人は36・9%となる38人で、中には症状を訴えたのが4年後だったという人もいたということです。

 これを受けて、厚生労働省の専門家会議は「症状が出るまでの期間にばらつきがあり、今回の調査だけでは接種との因果関係は判断できない」としました。

 その上で、これまでの調査で、ワクチン未接種者の中にも感覚や運動、自律神経の障害など複数の症状を訴える人がおり、症状が10種類以上ある人が一定数いることも確認されていることから、今後は専門の医師から聞き取るなど詳しく分析した上で最終的な判断を示すことにしています。

 専門家会議の座長を務める国際医療福祉大学の桃井眞里子副学長は、「不安で予防接種を受けられない人たちのことを考えると、可能な限り早く医学的な評価を示さなくてはならない。実際に症状が出ている人への治療などの在り方も示した上で、議論を決着させたい」と話しています。

 子宮の入り口にできる子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルスと呼ばれるウイルスの感染が原因で起き、高齢者を中心に年間およそ3000人が亡くなり、若い女性の間でも増えています。子宮頸がんワクチンは、このヒトパピローマウイルスの感染を防ぐ効果があるとして、8年前、日本でも承認されました。

 4年前の2013年4月には、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に国と自治体が費用を負担する定期接種に追加され、これまでに推計340万人が接種を受けています。しかし、接種後に原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、厚労省は定期接種となったわずか2カ月後に、「接種との因果関係が否定できない」として積極的な接種の呼び掛けを中止。

 その後、厚生労働省の専門家会議は「ワクチンそのものが原因ではなく、接種の際の不安などの心理的な要因によって症状が出た可能性がある」とする見解をまとめましたが、詳しい原因は解明されておらず、全国でワクチン接種を見合わせる動きが広がりました。

 また、一昨年10月には症状が回復しないままの人が若い女性を中心に少なくとも186人いることがわかり、接種との因果関係が否定できない患者については医療費などの救済も始まっています。

 厚労省は、積極的な接種の呼び掛けを再開するかどうか判断するため、専門家に依頼しておよそ1年間かけて調査を行い、昨年12月、接種していなくても同様の症状がある人が一定数いることがわかりましたが、集まったデータに偏りがあることなどから因果関係については判断できないとしていました。

 現在も、最終的な判断をいつ行うのか見通しは立っておらず、ワクチン接種の積極的な呼び掛けを4年近く中止する異例の事態が今も続いています。

 

 2017年4月11日(火)