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■世界初、他人由来のiPS細胞で移植手術 理研など目の難病の60歳代男性に

 

 他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、重い目の病気の患者を治療する世界初の手術を、理化学研究所などの研究チームが28日に実施したと発表しました。

 世界初となる他人由来のiPS細胞の移植手術を行ったのは、神戸市にある理化学研究所高橋政代プロジェクトリーダーと、神戸市立医療センター中央市民病院、大阪大学京都大学の研究チームです。

 手術を受けたのは、網膜の細胞の異常によって視野の中心が暗くなり、悪化すれば失明の恐れもある「滲出型加齢黄斑変性」の患者である兵庫県に住む60歳代男性。これまでの治療では、症状の悪化が抑えられなくなっていました。

 手術は28日午後2時前、中央市民病院で行われ、京都大学山中伸弥教授らが作製した、拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞から目の網膜の組織を作り出し、注射器を使って男性の右目に移植しました。手術は、1時間ほどで無事終了したということです。

 今回使われたiPS細胞は、特殊な免疫のタイプを持つ人から京都大学が作り出し、凍結保存しているもので、拒絶反応を起こしにくい上、解凍して培養すれば、ほぼ無限に増やせます。

 このため、同様の症状に苦しむ多くの患者に使うことが可能で、2014年9月の患者本人のiPS細胞を使った移植手術の際には、費用がおよそ1億円かかったのに比べ、10分の1程度にまで抑えられると期待されています。

 研究チームは、今回の男性を含めて5人を目標に同様の手術を行い、細胞のがん化や拒絶反応が起こらないかなどを慎重に確認することにしており、成功すれば再生医療の普及につながると期待されています。

 手術後に記者会見した理化学研究所高橋政代プロジェクトリーダーは、「手術の後の拒絶反応があるかなどが大事なので、手術が終わっただけで成功したとはまだいえないが、今日の手術は今後、実用的な治療にしていくための重要なステップとなる」と話しました。

 

 2017年3月29日(水)