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■高齢者施設での虐待、最多の408件 職員の知識不足やストレスが要因

 

 厚生労働省は21日、2015年度に特別養護老人ホームなどの介護施設で発覚した職員による高齢者への虐待は408件だったと発表しました。前年度に比べて36・0%増え、過去最多を更新しました。

 家族や親族などによる虐待は前年度に比べて1・5%増の1万5976件で、3年連続の増加。問題意識の高まりで相談・通報件数が増えており、表面化するケースが増えています。

 調査は2006年度に施行した高齢者虐待防止法に基づき、47都道府県と全市区町村が相談や通報を受けて把握した件数をまとめました。

 介護施設の職員による虐待の被害者は、前年度に比べて12・6%多い778人で、1人が死亡しました。職員による虐待で死亡したのは、2006年度分の調査を開始して以来初めて。広島市認知症グループホームで2015年5月、施設2階の窓から入所者が転落し、職員が救命措置を怠ったとされる事例で、介護放棄と判断されました。

 虐待を受けた高齢者の状況をみると、要介護度3以上が622人と、79・9%を占めました。施設別では、特別養護老人ホームが125件と最多。以前に虐待が起きていたケースも28件ありました。

 虐待の種類別(複数回答)では、暴力や拘束などの「身体的虐待」が最も多く478人(61・4%)。暴言を吐くなどの「心理的虐待」は215人(27・6%)、食事を与えないなどの「介護放棄」は100人(12・9%)でした。

 虐待の要因(複数回答)は、認知症への理解不足といった「教育・知識・介護技術などに関する問題」が246件(65・6%)と最多。「職員のストレスや感情コントロールの問題」が101件(26・9%)で続きました。

 一方、家族や親族などから虐待を受けた被害者は1万6423人で、このうち20人が死亡しました。

 虐待の要因(複数回答)は、「介護疲れ・介護ストレス」が1320件(25・0%)、「虐待者の障害・疾病」が1217件(23・1%)、「被虐待者の認知症の症状」が852件(16・1%)の順番でした。

 厚労省は、介護を巡る家族間の殺人や心中などを防ぐため、過去数年に起きた死亡事例の分析や検証に乗り出す考えです。

 

 2017年3月21日(火)