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■抗生物質の投与、風邪や下痢には控えることを推奨 厚労省が医療機関向けのマニュアル

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 厚生労働省有識者委員会は6日、軽い風邪や下痢の患者に対する抗生物質(抗菌薬)の投与を控えるよう呼び掛ける医療機関向けのマニュアルをまとめました。

 抗生物質を使いすぎると薬剤耐性菌が増え、治療に有効な抗生物質が将来なくなる事態が懸念されているため。早ければ今月中にも、日本医師会などを通じて全国の医療機関にマニュアルを配ります。

 薬剤耐性菌は、抗生物質を服用した人や動物の体内で増えていく薬への耐性を得た細菌で、対策を取らずに流行した場合、2050年には世界で年間およそ1000万人が死亡すると、イギリスの研究機関が推計しています。

 マニュアルでは、外来の患者を受け持つ医療従事者を対象に、日常的に診察する主な病気の治療法を解説。また、風邪や下痢の症状がみられる「急性気道感染症」や「急性下痢症」の患者への対応を想定し、抗生物質が必要ないと判断した場合は、使用を控えるほか、抗生物質の処方を求める患者や家族に対して理解を求めるなど、具体的な対応の手順を示しています。

 一般的な風邪の症状がみられる急性気道感染症は、原因となるウイルスに抗生物質が効かないことから、「投与を行わないことを推奨する」としました。医師が患者に説明する際には、「抗生物質は効かない」と告げた上で、症状が悪化する場合は再受診するよう指示しておくことが重要だとしています。

 一方、ふだんより排便回数が1日3回以上増える急性下痢症は、ウイルス性、細菌性にかかわらず自然とよくなることが多いため、安易に抗生物質を使わないよう呼び掛けています。

 厚労省は、「国際的な取り組みが急務になっているので、医療機関には抗生物質の適切な使用を徹底するよう求めていきたい」と話しています。

 抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌は、不適切な薬の使用などを背景に広がり、世界的に深刻な問題となっています。イギリス政府からの委託を受け調査を行ったシンクタンクなどによりますと、世界全体では2013年現在、年間で推計70万人が薬剤耐性菌が原因で死亡しているということです。

 また、このまま何も手を打たなければ、死者は2050年までに世界全体で年間推計1000万人に上り、現在のがんによる死者数を上回ると警鐘を鳴らしています。

 

 2017年3月7日(火)