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健康創造塾

各種の健康情報を発信

■水素水や水素サプリ、健康効果の合理的な根拠なし 消費者庁、不当表示で通販3社を処分

 

 運動や食事制限をしなくてもダイエット効果があるなどと商品パッケージの表示や広告でうたい、水素を溶かしたとする水素水と水素入りサプリメントを販売したのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は3日、東京都と大阪府の通信販売会社計3社に再発防止と消費者への周知を求める措置命令を出しました。

 数年前からブームになっている水素関連商品について、消費者庁が同法で行政処分をするのは初めて。

 不当表示を指摘されたのは、メロディアンハーモニーファイン(大阪府八尾市)の飲料水「水素たっぷりのおいしい水」、マハロ(東京都港区)の飲料水「ビガーブライトEX」、千代田薬品工業(東京都千代田区)のサプリ「ナチュラ水素」の3商品。少なくとも計7億2000万円を売り上げていました。

 3社は2013年6月~2016年3月、商品を摂取するだけで著しくやせたり、血糖値上昇抑制や炎症解消の効果が得られたりするかのようにウェブサイトで表示。「エネルギー生成の役割をするミトコンドリアの働きを活性化する」「水素のパワーでダイエット」「1年で25キロやせた」「カラダをメラメラ」「肩こりや筋肉痛、ニキビの悩みを軽減」などとうたっていました。

 消費者庁は3社に対し、こうした表示の根拠となる資料を提出するよう要求。うち2社が出したのは、病気の人や動物、細胞に水素を与えた場合の効果に関する論文で、健康な人は含まれていませんでした。

 このため消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠がないと判断。再発防止策を講じ、景品表示法違反を消費者に周知するよう3社に命じました。3社は問題の表示を中止し、現在も商品を販売しているといいます。

 食品で健康への効果を表示できるのは、健康増進法などに基づき、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品、栄養機能食品に限られています。こうした食品として許可されたり、届け出があったりしたものは、水素水など水素関連商品ではこれまでありません。

 水素水は、水素が溶け込んだ水を示すものの、公的な定義はありません。2007年に「有害な活性酸素を効率よく取り除く」という内容の論文が発表され、臨床研究と並行して水素水の名称を使った商品が出てきました。芸能人やスポーツ選手がブログで紹介したこともあってブームになり、コンビニにも商品が並ぶようになっています。

 一方で、国民生活センターが昨年12月16日、禁じられた健康効果をうたう表示や広告が目立つ上、溶存水素濃度が表示より低かったり、水素自体が検出されなかった商品もあったとして、注意を呼び掛けていました。また、全国の消費生活センターに寄せられる相談は年々増加し、2015年度は705件でした。

 水素水を巡っては、栄養と健康についての調査研究を行う国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」(大阪府)が、水素水を「水素分子(水素ガス)の濃度を高めた水」と定義し、「ヒトに対する有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない」とする見解を示しています。また、「水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告もある」としています。

 

 2017年3月3日(金)