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健康創造塾

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■京大、iPS細胞で血液難病を治療 2019年春にも治験開始

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 京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授は2月28日、体のさまざまな組織になるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、血が止まりにくい難病患者に輸血する臨床試験(治験)を2019年春にも始めると発表しました。

 止血に必要な血小板と呼ぶ血液の成分をiPS細胞から大量に作り、患者が出血した際に輸血して症状がひどくなるのを防ぎます。

 治験は、血液のがんといわれる白血病や骨髄異形成症候群、重い貧血の再生不良性貧血の患者を対象にします。いずれの疾患の患者も、血液成分が体内でうまく作れなくなり、いったん出血すると血が止まりにくくなっています。現在は献血によって集めた血液成分を輸血していますが、外敵から身を守る免疫の働きで4割の患者は、輸血直後に細胞が壊れてしまっています。

 計画では、京大iPS細胞研究所がこうした免疫反応を起こしにくいタイプの健康な人から作製して、再生医療用に備蓄しているiPS細胞を使います。

 江藤教授らは当初、2017年秋の治験開始を目指していました。しかし1月、同研究所が新生児の臍帯(さいたい)血から医療用のiPS細胞を作製する過程で、本来は使用しない試薬が使われていた可能性があるとして、人への使用を目的とした臨床用のものの提供を停止したため、治験の開始は1年半遅れます。

 今後は、治験に使うiPS細胞を選ぶ作業などをやり直します。江藤教授は、「遅れるのは非常に残念だが、治験を行うための技術はすでに確立しており、待っている患者さんのために当初より品質がよいものを提供したい」と話しています。

 iPS細胞の提供停止を巡っては、大阪大学などが進めている角膜を移植する臨床研究も1年程度、遅れる見通しとなっています。

 

 2017年3月1日(水)