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■損傷した神経に埋め込んで手足のしびれを治療 大阪大などがビタミンB12含む繊維を開発

 

 手首やひじの神経が圧迫され、指がしびれる病気などの治療に使われるビタミンB12の一種を新開発の繊維メッシュに含ませ、患部に埋め込んで治療効果を上げる動物実験に成功したと、物質・材料研究機構茨城県つくば市)と大阪大学の研究チームが27日発表しました。

 B12の一種「メチルコバラミン」は、神経の再生を促す作用があります。大阪大学大学院医学系研究科の田中啓之助教(整形外科)は、「飲み薬や注射では効果が薄い。患部付近でメチルコバラミンを徐々に放出し、高濃度の状態を数カ月間維持できれば、治療効果が上がる」と説明しています。

 この繊維メッシュは「ナノファイバーメッシュ」と呼ばれ、物質・材料研究機構の荏原充宏准主任研究者らが開発しました。

 体内で自然に分解するプラスチックの構造を工夫して、直径が髪の毛の約1000分の1に当たる数百ナノメートル(ナノは10億分の1)の極細の繊維を作製し、メチルコバラミンを含ませて柔軟なメッシュに加工しました。

 ラットを使った実験では、座骨神経が損傷した部分の周囲に繊維メッシュを埋め込んで、6週間後に運動機能や感覚を調べたところ、正常なラットと同程度まで回復したといいます。

 田中助教によると、埋め込む繊維メッシュは2センチ角程度でよく、神経の修復後は自然に分解するといいます。

 手首の神経が圧迫される「手根管症候群」や、ひじの神経が圧迫される「肘部管症候群」など、中年以上の患者が多く指がしびれてうまく動かせなくなる圧迫による神経損傷に有効と考えられ、研究チームでは製薬会社とともに、2年後の臨床研究開始を目指すといいます。

 この研究成果は、生体材料科学の国際誌の2017年4月号にオンライン掲載されました。

 

 2017年3月1日(水)