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■iPS細胞から脳の血管内皮細胞を作製 京大チーム、中枢神経薬の効果予測へ

 

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から脳の血管の特徴を持つモデルを作製することに、京都大学iPS細胞研究所の山下潤教授や山水康平助教らの研究チームが成功しました。

 中枢神経に作用する薬剤の効果を予測するのに役立つ成果で、アメリカの科学誌ステムセル・リポーツで24日発表しました。

 脳の血管は「血液脳関門」とも呼ばれ、血液に含まれる病原体や異物が脳に悪影響を及ぼさないようにするため、血管の内部から外部に物質が出にくい構造をしています。このため、脳の中枢神経に作用する薬剤は神経に届きにくく、新薬の開発では、その薬剤が脳関門を通過できるかどうかを予測することが重要となっています。

 研究チームは、健康な人の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を元に、通常の血管内皮細胞や周皮細胞、神経細胞の機能を維持する役割のある「アストロサイト」、ニューロンという4種類の細胞を作製し、一緒に培養しました。その結果、通常の血管内皮細胞が脳の血管内皮細胞に似た特徴を獲得し、この細胞をさらにアストロサイトと一緒に培養することで、脳の血管の特徴を持つモデルを作ることができました。

 この脳血管のモデルは、実際の脳血管と同様の薬物の透過性を持っていることを確かめました。

 山下教授は、「中枢神経薬は多くが、脳関門を通らないために治験で失敗している。このモデルを使うことで事前に効果を予測できるので、薬剤開発費の節減につながる。脳の血管の病気などのメカニズムの解明にも活用できる」と話しています。

 

 2017年2月25日(土)