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健康創造塾

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■子供がいる家庭の2割が生活困難層に相当 東京都が初の実態調査

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 家庭の経済的な困窮が、子供の生活にどのような影響を与えているかを把握する東京都の初めての調査結果がまとまり、親の年収だけでなく、食生活や学習環境などから「生活困難」に当たるとされる家庭が、全体のおよそ20%に上ることがわかりました。

 東京都は、昨年8月から9月にかけて、墨田区、豊島区、調布市、日野市に住む小学5年生、中学2年生、高校2年生の子供がいる家庭、およそ2万世帯を対象に調査を行い、このうち42%から回答を得ました。

 調査では家庭の経済的な困窮について、世帯年収のほか、過去1年で水道や電気など公共料金が支払えなかった経験があったり、子供を家族旅行や学習塾に行かせることができなかったりした場合は「生活困難層」と定義し、結果をまとめました。

 それによりますと、全体のおよそ20%が生活困難層に当たることがわかり、小学5年生がいる家庭では20・5%、中学2年生がいる家庭では21・6%、高校2年生の16歳から17歳がいる家庭では24・0%に上りました。

 また、生活困難層のうち、特に度合いが高い世帯を「困窮層」と定義し、小学5年生がいる家庭では5・7%、中学2年生がいる家庭では7・1%、高校2年生がいる家庭では6・9%に上り、子供の食生活や学習環境、それに放課後や休日の過ごし方などに影響がみられるとしています。

 具体的には、1日の食事の回数について、「2食がほぼ毎日」と回答した高校2年生は困窮層で21・9%で、「一般層」に比べて10ポイント余り高くなっています。「欲しいが持っていないもの」を小学5年生に尋ねると、「自宅で宿題できる場所」と回答したのは困窮層で11・9%で、一般層より9ポイント余り高くなっています。

 このほか、「経済的な理由で、キャンプや海水浴などを体験させることができない」と答えた保護者の割合が、困窮層では20%台後半から40%台半ばだったのに対し、一般層は1%未満と大きな開きがみられました。

 結果について、調査を行った首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターの阿部彩センター長は、「困窮層の子供は、生活のあらゆる面で不利な状況に置かれていることが浮き彫りになった。貧困の連鎖を防ぐためにも、子供だけでなく保護者も含めた早期の支援が求められる」と話しています。

 調査では、子供たちが自分自身や将来をどのように感じているか、「自己肯定感」についても尋ねています。

 年齢別にみますと、小学5年生と中学2年生では、困窮層と一般層で大きな差はありませんでしたが、高校2年生では自分を否定的にとらえる割合が困窮層で高くなっています。例えば、「自分は価値のある人間だと思うか」と尋ねたことろ、「そう思わない」と否定した割合は、一般層では7・6%だったのに対し、困窮層では13・1%でした。

 このほか、保護者の健康や精神状態についても尋ねたところ、困窮層では肉体的・精神的に負担を感じている割合が高いことがわかりました。このうち健康状態が「あまりよくない」、「よくない」と回答した割合は、困窮層の保護者で20%前後に上り、一般層の5%前後を大きく上回っています。

 また、困窮層では、60%前後の保護者が「心理的なストレスを感じている」と回答し、20%前後の保護者がより深刻な状態にあることがわかりました。

 子供の貧困対策を巡っては、4年前の2013年、国や自治体に対策を義務付ける法律が成立し、各地で実態調査や支援の取り組みが始まっています。

 東京都では、今年度から学習支援や食事の提供など、子供の居場所作りに取り組む自治体に対する財政支援や、父子家庭や母子家庭に専門の職員を派遣して生活をサポートする取り組みなど支援を本格化させています。

 一方、今回の調査では、こうした支援サービスが困窮層の家庭に十分に認知されていないことも明らかになっています。このため東京都は、専任の職員を配置して、貧困対策に取り組む都内の市区町村への財政支援を新年度から新たに始めることにしており、困窮する家庭を早期に発見し、必要とする支援を確実に届けられる仕組み作りを急ぐことにしています。

 

 2017年2月24日(金)