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■別居中の妻、凍結受精卵を無断で移植し出産 東京都の夫、親子関係で大阪家裁に提訴

 

 夫婦関係が事実上、破局していたのに、妻が夫の同意書を偽造して凍結保存中の受精卵の移植を受け、子供を産んだのは苦痛だとして、夫が昨年12月20日付で、子供との法的な親子関係を認めないよう求める訴えを大阪家庭裁判所に起こしたことが明らかになりました。

 一方、妻側は大阪家庭裁判所に出した書面で、「夫には受精卵の移植を受けると伝えていて同意書は代筆した」と主張し、訴えを退けるよう求めています。

 訴えを起こしたのは、東京都内に住む40歳代の会社員の男性で20日、男性の代理人の弁護士が大阪市内で記者会見しました。

 訴状などによりますと、男性は現在、大阪市内に住む40歳代の妻と、事実上、夫婦関係が破局し2014年4月ごろに別居しましたが、その前から妻に「夫として子供をつくる責任を果たしていない」と責められ続けたということです。

 男性は、体外授精を行っても受精卵の移植に同意しなければ子供は生まれないと考え、妻の気持ちを治めようと2013年から東京都内のクリニックで不妊治療を始め、体外授精に協力して受精卵は凍結保存されましたが、妻は夫の同意書を偽造して2015年4月に医師に提出したということで、受精卵の移植後、2016年1月に女の子が生まれたということです。

 民法では「婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定される」と規定されており、女の子は男性の長女として戸籍に記載されています。

 男性は、同意なく出産され、養育費などを強要されるのは苦痛だとして、子供が嫡出(ちゃくしゅつ)子でないことを確認するよう、大阪家庭裁判所に訴えたということです。

 男性の代理人の若松陽子弁護士は、「同意書の偽造は言語道断で、医師も男性に直接、確認せずに移植を進めていて重大な責任がある。かわいそうなのは生まれてきた子供だ」と述べ、東京都内のクリニックに対して裁判を起こすことも検討していると明らかにしました。

 一方、夫婦の受精卵の移植手術を行った東京都内のクリニックは、「裁判が始まっている以上、こちらからはコメントできない」と話しています。

 生命倫理に詳しい東京財団の橳島(ぬでしま)次郎研究員は、「これまで国の委員会などでは、第三者からの卵子精子提供について、問題が議論がされてきたが、夫婦間でも問題は起こり得る。一番不利益を被るのは生まれてきた子供で夫婦関係に問題がある場合、生殖補助医療をどうするのか法整備を含めて検討していく必要があるのではないか」と話しています。

 受精卵の移植手術では、ほかにも裁判になるケースが出ています。奈良県では40歳代の男性が、別居中の妻が無断で受精卵の移植を受けて出産したのは納得できないとして、子供との親子関係を認めないよう求める裁判を起こし、移植手術を行ったクリニックに対しても移植への同意の有無を確認しなかったとして裁判を起こしています。

 

 2017年2月20日(月)