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■食物アレルギーの新しい治療法に注目集まる 医師の指導で行う経口免疫療法

 

 20日は、日本アレルギー協会が1995年から制定している「アレルギーの日」です。子供に多い食物アレルギーでは、専門の医師の指導の下で行う新しい治療法が注目されています。

 食物アレルギーは、アレルギーのある食べ物を食べた時に発症し、湿疹やおう吐、呼吸困難などを引き起こして、最悪の場合は、死亡することもあります。専門家によりますと、患者数は、1歳未満の子供の10人に1人に上ると見なされています。

 最近注目されている新しい治療法は、アレルギーのある食べ物をあえて食べさせることで、耐性を身に着けさせる「経口免疫療法」(経口減感作療法)です。子供がアレルギー反応を起こさない量を見極めた上で、症状に合わせて1グラムに満たないようなわずかな量を毎日決まった時間に食べさせ、定期的に検査で耐性が着いたかどうか確認しながら、食べる量を徐々に増やしていきます。

 子供が誤って耐性を超える量を口にすると、激しいアレルギー反応を起こしてしまうため、必ず専門知識を持った医師の指導の下で行わなければなりません。

 日本国内では2008年、神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)が、卵アレルギー患者に経口免疫療法を行った成功例を日本アレルギー学会で発表し、注目が集まりました。前後して、海外でも成功例が多く報告されました。

 この経口免疫療法に取り組んでいる国立病院機構相模原病院(神奈川県相模原市)の海老澤元宏医師によりますと、全国の医療機関のうち、およそ100施設で行われているということで、食べる量を増やすペースなど手法は各施設によって違います。

 海老澤医師は、「インターネットのさまざまな情報をうのみにして、誤った対応をしてしまう保護者も多いので、専門の医療機関を受診するよう呼び掛けるとともに、かかりつけ医と連携して、適切な治療に結び付ける仕組みを作る必要がある」と指摘しています。

 15歳の娘が専門の医師の下で経口免疫療法を受けている東京都内に住む40歳代の母親によると、娘は生後3カ月の時に体調を崩して近所のかかりつけ医を受診し、卵や肉、魚など、さまざまな食べ物のアレルギーがあると診断されました。この際、医師からはアレルギーのある食材を避けるよう指導されましたが、検査では、どの食材にアレルギー反応が出るのか、すべては特定できなかったということです。

 このため娘が食べた食材を毎日記録して、どの食材にアレルギー反応が出るのかを調べた上で、それを娘が口にしないよう細心の注意を払ったといいます。しかし、目を離したすきに、自分で口に入れてしまうなどしてたびたびショック状態に陥り、呼吸困難になって救急車で搬送されたこともあったということです。

 現在は、経口免疫療法を受けて、食べられる食材が徐々に増えてきているということです。

 母親は、「当時は、治療ができる医療機関があることもわかっていなかった。どれだけ気を付けても子供がアレルギーを起こしてしまうので、精神的に疲れ果ててしまい、『もうこの子は食べられなくてもいい、こういう人生なんだから』と諦めてしまっていた。娘の食物アレルギーが、さらに改善することを願うとともに、こうした治療法がどの医療機関でも受けられるようになってほしい」と話しています。

 

 2017年2月20日(月)