読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

健康創造塾

各種の健康情報を発信

■目など全身に炎症引き起こすベーチェット病、遺伝子を解明 治療薬開発に道

 

 厚生労働省が指定する難病の一つで、目の炎症や口内炎、皮膚症状などを繰り返し、失明に至ることもある難病「ベーチェット病」のなりやすさにかかわるDNA配列を見付けたと、横浜市立大学などの国際研究チームが発表しました。治療薬の開発につながる可能性があるといいます。

 アメリカの専門誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に7日、研究論文が掲載されました。

 人のDNA配列はほとんど共通していますが、わずかに個人差(SNP)があり、薬の効き方や病気のなりやすさなどにかかわります。ベーチェット病については、これまで11カ所のSNPが報告されてきましたが、他にもあると考えられていました。

 横浜市立大学の水木信久教授(眼科学)ら国際研究チームは、日本、トルコ、イランなどのベーチェット病患者3477人と、健康な人3342人のSNP20万個を比較。その結果、新たに6カ所のDNA配列の領域のSNPが、病気のなりやすさにかかわることがわかりました。今回の発見で主要なSNPはほぼ出そろったといいます。

 ベーチェット病は、遺伝子変異のある人に、細菌の感染など外的な刺激が加わって発症すると考えられています。今回見付けられたSNPは、病原体が皮膚から体に入るのを防いだり、炎症を起こしたりする遺伝子にかかわるものでした。体が反応する仕組みがわかれば、治療薬の開発につながるといいます。

 水木教授は、「主要な遺伝子が出そろったことで、発症する仕組みの解明に迫ることができる。治療薬の開発を加速させたい」と話しています。

 ベーチェット病の国内の患者数は約2万人。地域的には、中近東諸国や地中海沿岸諸国、日本、韓国、中国に多くみられるため、シルクロード病ともいわれています。日本においては北海道、東北に多くて、北高南低の分布を示し、男女比は1対1、20歳代後半から40歳代にかけての働き盛りに、多く発症しています。

 疾患の原因は不明ですが、遺伝子変異など何らかの内因と、虫歯菌を含む細菌やウイルスなどの感染病原体やそのほかの環境因子など何らかの外因が関与して、白血球の異常が生じるために発症すると考えられています。単純な遺伝性疾患ととらえられるのは、妥当ではありません。

 

 2017年2月8日(水)