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■微量血液を調べて膵臓がんを早期に診断 アメリカなどのチームが検査法を開発

 

 1滴足らずの微量血液で、発見が困難な膵臓(すいぞう)がんの徴候を検出する画期的な検査法を開発したとの研究論文が6日、発表されました。膵臓がんは、死亡率が最も高いがんの一つです。

 イギリスの科学誌「ネイチャー・バイオメディカル・エンジニアリング」(電子版)に掲載された論文によると、この検査法は結果が出るのが早く、安価かつ超高感度で、血液で徴候を検出できるその他の病気の検査にも適用できるといいます。

 ヒューストンメソジスト研究所などアメリカと中国の研究チームは、膵臓の腫瘍に存在する「EphA2」と呼ばれるタンパク質を特定。次に、血液の液体成分である血漿(けっしょう)わずか0・001ミリリットル中のEphA2を検出する方法を開発しました。

 膵臓がんは特に悪性度が高く、一般的には症状が現れるのは末期の段階で、診断が下された時点でがんがすでに他の臓器に広がっていることが多いのが特徴です。有効な治療法はなく、患者の約80%が診断から1年以内に死亡します。国立がん研究センターによると、日本国内の年間死亡者数は約3万人で、診断手法の開発が課題となっています。

 今回の研究論文の共同執筆者で、アメリカ・アリゾナ州立大学のトニー・フー氏は、「膵臓がんは、腫瘍の存在を示す早期の血液バイオマーカー(生体指標)が切実に必要とされているがんの一種だ」と述べました。

 研究チームによれば、血液中のがんマーカーを検出するための既存の検査法では、多量のサンプルが必要な上、時間と費用がかかるといいます。

 今回の検査法を用いた予備実験では、膵臓がん患者と健常者、および非がん性炎症の膵炎の患者を85%以上の精度で識別できました。これは既存の血漿検査法より高精度だと、研究チームは論文に記しています。

 研究結果については研究の規模を拡大して検証する必要がありますが、今回の発見は「膵臓がんや他のがんおよび感染症の早期発見、治療、経過観察を向上させる可能性を秘めている」と、ネイチャー誌に掲載された報道向けの要約記事は主張しています。

 フー氏によると、この検査法の認可を得るには2~3年かかる可能性があるといいます。

 

 2017年2月7日(火)